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会社員→フリーライターの27歳女性「最初で最後のミスコン」に挑戦、ミス東スポ決勝へ

フリーのライターとして活躍する渡辺ありささん

一度は諦めたアイドルへの夢。2年間の会社員生活を経て、27歳でまた、その世界に飛び込もうとしている女性がいる。

渡辺ありささん(27歳)だ。グラビアアイドルが競う「ミス東スポ2022」の予選を1位通過した。「ミス○○のオーディションは、これで最初で最後」と覚悟を決める。

会社員を辞めてフリーライターになったことで活動の幅が広がり、再チャレンジにつながったという。これからどんなキャリアを考えているのか。本人に話を聞いた。(文:古田島 大介)

11歳で子役デビュー。学生時代は芸能活動に明け暮れる

渡辺さんは11歳から子役として舞台に出演し、芸能活動をスタートした。
興味を持ったきっかけは「ミュージカルを観るのが好きだったから」だという。

「私はもちろん、親も舞台鑑賞が好きだったこともあり、舞台稽古のレッスンを受けながら子役として出演できる事務所を、親が探してくれたんですよ。そこから子役で舞台に立つようになったのが芸能活動のスタートでした」

高校へ進学すると渡辺さんは別の事務所へと移籍し、芸能活動の幅を広げていった。

「舞台のほか、グラビアの写真集・DVDを発売したりMCやラジオ、イベントに出演したりとアイドルとしての活動も行なってきました。学校生活と芸能活動を両立させながら、毎日予定を入れて楽しく過ごしていたのを覚えています」

グラビア時代

グラビアアイドルとして活動していた当時17歳の渡辺さん(写真:本人提供)

バイトや部活動に明け暮れるような、いわば一般的な学生生活とは異なる日々を過ごした渡辺さん。そうしていくうち、「将来は自由に生きたい。そのためには『資格』が必要」と思うようになったそうだ。

はじめは「薬剤師」を目指して大学の薬学部に進学したが、向いていないと悟って社会福祉学部のある大学に編入した。そして、狙い通り、社会福祉士の国家試験に合格したそうだ。ただ、この間芸能活動は続けていたという。

「芸能はときに、辛いことや大変なこともありますが、やりがいのある仕事だと思っていました。だからこそ、夢中になってやってこれた。気づいたら体調が悪くなっていたこともありましたが、弱音を吐かずに頑張ってきました」

しかし、彼女はこのタイミングで、企業の採用試験を受けてみることにした。

「私は芸能に憧れ、芸能を志し、芸能活動に没頭してきました。そして、目標である社会福祉士の資格も取れた。でも、新卒は人生に一度きりしか味わえない。そう思い、就活がどのようなものか経験してみたいと思ったんです」

新卒ではPR会社に入社した

「いざ面接を重ねて行くと、周りは海外留学、起業、甲子園出場、サークルの長……。など実績豊富な経験を持っている人だらけでした。私自身、これまでバイトとか部活動は一切やってこなかったので、自信喪失したときもありました。そこで、自分の人生を改めて振り返ってみると、芸能活動にひたむきに取り組んできたことや、大学のゼミ活動のことを話せば、十分アピールになると思ったんです」

テレビ業界や芸能事務所、広告代理店など複数の企業の選考を受け、結果的にサイバーエージェントの子会社で、PR事業や著名人キャスティング事業を手掛けるCCPRに採用された。

「とりあえず新卒で会社へ入って、まずは1年間社会の荒波に揉まれながら色々な経験を積もうと考えていました」

最初は、芸能界との空気感の違いに戸惑ったそうだ。

「芸能関係の人って、常に周囲から見られているという意識が強いんです。その分、人と接するときはフレンドリーに話しかけてくれるんですが、会社組織のなかで交わされるコミュニケーションはどことなくドライに感じたというか。ちょっと機嫌悪く見えてしまったんですね。『これが大人の世界だ』と思いましたが、社会人の雰囲気に慣れるのには苦労しました」

芸能以外の仕事は初めてだったこともあり、失敗して叱責されたこともあったという。

「自分の小さなミスで、全ての歯車が狂ってしまうのを痛感しました。さまざまな関係者が絡んでいるので、ひとつの紐の掛け違いが致命的になるんです。私は大雑把な性格ゆえ、『些細なミスなら大丈夫だろう』と思っていたのですが、上司にひどく怒られまして。周囲に迷惑をかけないためにも、自分の仕事は役割の大小問わず丁寧にやることを学びました」

そうして会社員をする一方で、渡辺さんは副業ライターも始めた。

アイドル専門誌「楽遊IDOL PASS」に携わっていた頃の渡辺さん(写真:本人提供)

ライター業を始めたのは、学生時代の体験がきっかけだったという。

「内定が決まった大学4年の夏に、アイドル専門誌の『楽遊IDOL PASS』の雑誌編集に携わりました。今振り返れば、このときの経験が執筆の仕事との馴れ初めだったと思います」

「ミス東スポ」は最初で最後の挑戦

定期的にライターの仕事をもらえるようになったことで、2021年6月末にCCPRを退社した。すると、知人から芸能関連の仕事依頼も来るようになったそうだ。

「会社を辞めた時はライター1本として独立する予定だったんです。それが思いのほか、周囲から『また芸能の仕事に戻っておいでよ』とお声がけいただいたので、もしかしたら『まだ自分は芸能活動もできるのでは』と次第に考えるようになりました。勘違いだったかもしれませんが(笑)、まずはトライしてみようということで、『ミス東スポ』の選考オーディションを受けることに決めました」

そして見事、「ミス東スポ2022」の予選オーディションを1位通過したのである。

予選通過者のお披露目として開催される記者発表会では、ライター業のアピールもしたという。

ミス東スポ2022の様子

「ミス東スポ2022」予選Aブロックを1位で追加した渡辺ありささん(写真提供:Twitter
shun699)

「多くのメディアが集まっていたので、絶好の機会だと思い、ライターアピールしたんです(笑)。そうしたら後日、本当に芸能系メディアの方から連絡があり、実際にお仕事をいただけました。やっぱり、言ってみるもんだと感じましたね」

「ミス東スポ2022」の最終選考は10月~12月に行われる。渡辺さんは、意気込みをこう語っていた。

「ライターとしては連載や編集の仕事など、引き続き頑張りつつ、まずはミス東スポのグランプリを目指します。こうした『ミス〇〇』のオーディションは、今回が最初で最後の挑戦と決めているので、精一杯やりきりたいです。将来的には社会で声を上げられない人の代弁者になれたらと思っています。そのためにはある程度の肩書きが欲しいので、芸能活動もできる範囲で続け、知名度を上げていきたいですね」

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