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2年半も外にいた茶白猫を保護した瞬間 息を殺して近づき、素手でガバッと……(3)

地域猫時代、毎日2回よく食べていた

外猫も家猫と同様に毎日同じ食べ物では飽きるため、複数の種類をローテーションしている。食べないときには、香りが強いものや嗜好性の高いフードをあげてみる。だがこのときの杏奈は何を出しても食べなかった。動物病院に連れて行くしかないと思った。

杏奈は2019年の冬に体調を崩したときには、具合が悪いのにキャリーバッグを見た途端に逃げた。だがあれから1年以上が経っている。もうキャリーバッグを忘れた頃だろうし、当時より懐っこくなり、今度こそ保護できるのではないかと直感的に感じた。

すぐさまキャリーバッグを取りに家に帰った。私は捕獲器を使わず素手で保護するときには、プラスチック製で、側面だけでなく上側も開閉できるタイプのキャリーバッグを使っている。上から入れるほうがやりやすいからだ。上蓋を開けた状態で、音を立てないように杏奈の近くに置いた。もっとも緊張する瞬間だ。

杏奈にはやはりキャリーバッグの記憶がないようで、警戒心はなかった。そこで私は息を殺しながら杏奈の首回りを優しく撫でた。緊張の瞬間だ。甘えてきたところで脇の下に自分の片腕を入れ、もう一方の腕でお尻を包み込み、体を引き寄せた。それから数秒もしないうちに上からキャリーバッグに入れて、蓋を閉めた。ようやく呼吸ができた。

猫風邪と診断、推定7、8歳と言われ驚く

保護からしばらくして、先住猫のベジとも仲良くなる

杏奈を家に連れて帰り、先住猫たちとは別の部屋に置いた。翌朝、動物病院へ連れて行くと猫風邪だと診断された。歯の状態や血液検査から推定7、8歳だと言われた。思っていたより年を取っていたので、驚くとともに保護して良かったと安堵した。

抗生物質の注射を打ってもらい、獣医さんがちゅーるを差し出したら杏奈は舐めてくれた。しばらくしてウェットフードも食べるようになり、ドライフードもしっかり食べられるほどに回復した。

杏奈は体調は戻ったものの、当時は家族のなかで私にしか懐いておらず、見知らぬ人には懐くのにさらに時間がかかること、なにより思っていたより高齢だったことから、家で飼うことに決めた。

出会ってから保護するまで2年半も時間がかかった猫は杏奈が初めてだ。出会うなりシャーっと威嚇して猫パンチしてきた猫が、いま家のソファやベッドで寛いでいる。今年で推定13歳ぐらいになる。これ以上の幸せがあるだろうか。

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