志望校のある京都で前泊することになった。

「冬の京都は雪で寒いし交通機関が気になるということで、親に頼んで前泊することにしたのでしたが、ホテルに到着して説明を受ける同じテーブルに、気の合う人がいたのでお話がはずみ、このままじっとしててもしょうがないしってことで、併設しているアリーナに行きました」

そのアリーナは、周辺にあるいくつかの大学のアイスホッケー部が練習に来るような本格的なスケートリンクがあり、ちょうど学生が練習に励んでいたらしい。

「大学生のお兄さんたちは慣れてる練習といった感じで、ものすごい速さでスケートリンクをぐるぐると駆け抜けているのを目の当たりにし、これが大学生！　っと妙なところに自由を感じてワクワクしました」

と回顧した。

「未だにその日のスピード感はよく覚えていて」

女性は意気投合した受験生とスケートを楽しんだ。

「スケートを楽しんだ後はボーリングもして、体力を使い果たしてへとへとになった頃、ご飯になりました」

受験前日とは思えないような過ごし方だが、「受験前日とは思えないほどのアクティブな遊びを経験し、楽しさにワクワクで当日もいつも以上の力を発揮することができ、見事合格しました」という。

「当時は広告代理店でコピーライターになることが夢で、クリエイター排出の学校に行きたかったのですが、 今は全然違う仕事をしています。未だにその日のスピード感はよく覚えていて、一芸入試だったなーという思い出です」

と、自身の受験を振り返る。なお、一緒に遊んだ受験生との友情は今も続いているようだ。

「地方出身ですが今もその界隈に住んでいます。何かピタッとくるものがあったのかもしれませんね」