中学生の頃、母親に「ブラジャーが欲しい」→「知らねーよ。自分で稼いだ金で買えよ」と言われた女性の回想

画像はイメージ
親からの愛情を得られず、暴力と無視に苦しんだ過去を持つ女性がいる。現在40代前半の彼女は、5歳の時に両親が離婚。その後、弟・妹とともに3人で母方の祖母が一人暮らしをする家で過ごすことになった。当時の壮絶な体験をこう明かす。
「シングルマザーになった母はいつも不機嫌で、『おまえなんか産まなきゃ良かった』と私をいつも殴ってきました」
女性は「殴られてる間は必死に息を止め、『ごめんなさい』というのが精一杯」と振り返り、幼少期からの生い立ちを語り始めた。(文:福岡ちはや)
「生理がきたときも不機嫌な母に話しかけられず…」
荒れる母親が再婚したのは、女性が8歳のときだった。義父は優しかったが、それは最初だけで「母との間に実子の弟が生まれると豹変」したという。
「毎日『おまえはここがダメだ。俺がしつけ直してやる』と言って、たんこぶができるほどのゲンコツ、アザができるほどの蹴りを入れてきました。母は『ちゃんとしてないおまえが悪い』と助けてはくれず。弟と妹はなぜか殴られることなく、『かわいい』と育てられていました」
やがて母と義父の間にはさらに2人の男児が生まれ、女性は6人兄弟の長女になった。
中学生の頃、女性は反抗期を迎えて部屋にこもりがちになり、呼びかけられても小さな声で返事をすることが増えたという。義父は「その態度が気に入らない」と言い、女性の髪を引っ張って部屋から引きずり出すと、1時間以上の説教やビンタで制裁を加えたそうだ。
女性はやり場のないストレスを抱え、「家に居場所がない」と感じて何度も家出を繰り返したが、実の母は長女に寄り添うどころか「存在を無視」するありさまだった。
「生理がきたときも不機嫌な母に話しかけられず、小遣いで生理用品を買ったり。周りの子たちがブラジャーをつけ始めても母はタンクトップしか買ってこず、勇気を出して『ブラジャーが欲しい』と言ったときも『知らねーよ。自分で稼いだ金で買えよ』と言われ、親戚がくれたお年玉で通販を使って買ったりしていました」
と数々の苦労を打ち明けた。
「今まで育ててやった分の金返せ!」と高校中退を迫られ
高校生の頃、義父は長距離トラックの仕事をしており、週1回しか帰って来なかった。母からは
「高校なんかやめてさっさと家に金入れろよ!今まで育ててやった分の金返せ!」
と朝から晩まで迫るので、相変わらず心休まらない日々を過ごしていたようだ。結局、母の言うとおり高校を中退し、アルバイトで稼いだお金を家に入れるようになった。母も介護の仕事を始めたが、幼い弟たちが熱を出すと「簡単に休みが取れない」と言い、世話を頼んできたという。
「(母は)『アルバイト休んで見ててくれない?』と、 両親が離婚したあと初めて優しく話しかけてくれました。母の優しさが嬉しくて、私は『いいよ』と答えました」
ところが母は働き出すと、家事をほとんどしなくなってしまった。そのため、女性は当時まだ16歳だったにもかかわらず、アルバイトと並行しながら洗濯物や朝食・夕食作り、洗い物、末弟の保育園送迎、入浴介助などの家事育児を一手に担った。「今で言うヤングケアラー状態」だった。
「毎日クタクタでしたが、『母が少しでも楽ができるなら』と純粋な気持ちで頑張っていたのです」
そんな献身的な我が娘に対し、母はとことん非道だった。末弟が保育園を卒園し送迎の必要がなくなると、
「さっさと家から出て言ってくれない?」
と言い放ったのだ。こうして女性は家から逃げるようにして18歳で20歳年上の人と結婚したが、「その後も離婚再婚を繰り返し、波乱万丈な生活をしてきました」という。
「私も5人の子どものお母さんになりましたが、親にされて嫌だった暴力や無視はしていません。自分の人生と比較すると娘には少しでも良くしてやれたかな?と思いますが、離婚再婚を繰り返したので、何度も引越ししたり父が変わったりで苦労させてしまい。」
「この間の帰省で『良い人いないの?』と(娘に)聞いたら『私は結婚しない』と言われたので、『私も毒親になってしまった』と心苦しくなってしまいました。それを謝ると『生きるためだったんでしょ?しょうがなかったんだと思うよ』と励まされ、涙が止まりませんでした」
娘の言葉通り、学歴・職歴がないため男性に頼って生きるしかなかった事を嘆く女性。学歴を奪ったのは母親ではあるのだが……。複雑な胸中をこう吐露していた。
「今思えば、母も義父に寄生している後ろめたさがあったから私に冷たかったのか?と。少しは母の気持ちがわかった気がします」
※キャリコネニュースでは「親にされて嫌だったこと」をテーマに投稿を募集中です。回答はこちらから https://questant.jp/q/VALF7KIR