女性が色々と衝撃的な生活を送る元カレと出会ったのは数年前。ちょうど流行り始めたマッチングアプリであった。バツイチの女性に対して男性は3歳年下で結婚経験はなし。その交際は最初から、お金をまったく遣わないスタイルだった。
「最初はマイボトル持参の公園デートや、お弁当をつくってハイキング。まずは食事からという定番のスタイルにはまらない人もいるんだな、と思っていました」
よくも知らない相手に豪華な食事やデート費用をかけるのはもったいない……というスタイルかと思いきや、その後のデートでもバイクでタンデムしたり、車で琵琶湖を走ったり、蛍を見にいったりと「倹約っぷり」は変わらなかった。
「飲食店には入らず、出費はほぼゼロだったと思います。自然な流れだったので違和感はありませんでしたけど」
ドライブデートは珍しくもないが、出かけても飲食店にすら入らないのはレアなのではないか。
さて、それでも2人の関係性は深まって、ついに女性は元カレ宅に通うようになった。
泊まりに行くのは女性が休みの平日で、日中仕事に出かける元カレを車で送り迎えし、元カレがいない間は読書や音楽鑑賞を楽しんでいたそうだ。
元カレ宅で一人過ごすことになっても「広い家なので苦痛はありませんでした」と女性は語る。
ここまで聞いていると豪華な家で過ごす、優雅なお泊りデートじゃないか、という感じなのだが、このあたりから元カレのヤバさが見えてくる。最初に大きな違和感を覚えたのは、元カレが「家にある金庫室を自慢してきた」ことだという。
「自分は1億円、親は10億円の資産を持っているそうで。自宅には金庫室をつくっていて、その金庫室をみせるのです。銀行は信頼でないからと、かなりの額を置いているようで200万円ほどの札束を数えるように指示されたこともあります。どうして、そんなことをしたのかは謎です。信頼しすぎですよね」
元カレはIT系企業に勤務していて、給料もよかったのだろうが、そこまで溜め込むことができたのは度を越えたドケチな生活ゆえだったのかもしれない。とにかくすべてが節約と飾った言葉では飾れないドケチぶりだったそうだ。
「仕事に出かける際にも、いつも無難な紺色やサイズの合っていないリクルートスーツで、毎日同じものを来ていました。シャツはクリーニングに出さずに自分でアイロンをかけていました」
衣装代だけでなく、食費にもこだわる性格。
「野菜の外側の葉っぱや芯も絶対に捨てません。自炊が基本でスーパーでも半額シールが当たり前。ある日、食事にいこうというから、ワクワクして出かけたらジョイフルでした。それも、安いメニューをひとつずつ注文して終わりです」
ドケチだけなら「倹約家」と肯定的な評価をすることも不可能ではないが……。
しかし、元カレのヤバさは、ここから怒涛の如く明らかになっていく。
女性がショックを受けたのは、元カレが風呂場で「用を足す」のだと語ったとき。しかも「大」のほうである。
「そんな習慣だと聞いた時には顔には出しませんが、固まりました。毎晩普通に、お風呂場の排水溝に大を排泄していたようです」
半年ほど付き合ったというが、そんな事実を知らされたら、もう元カレ宅でお風呂を借りる気はおきないだろう。
「そんな生活に加えて、暴力沙汰を起こしていると話すんです」
まさか「風呂で大」に加えて、暴力自慢までしてくるとは……。もはや付き合うのは無理だろう。女性はこう語る。
「これは結婚したら毎日謝って回らないとだと想像してゲンナリしました。いずれは、私にも暴力が及ぶでしょうしね。それに、彼はお金を貯める事自体が目的になっていて、一緒に旅行したりご飯を食べに行ったり、という普通の楽しみがゼロになるのかと思い、ずっと寄り添う自信がなくなりました」
別れる時には、刺激しないように気を遣ってフェードアウトしたという。
女性は「元カレは自宅に、母親も寄りつかないんだと言っていました。いくら財産があっても心が貧乏な人っているんですね」と振り返っていた。