大人になっても実家にいること自体はさほど珍しくないが、彼氏の場合は「とんでもないマザコン」気質だったという。彼は、「デート中でも母親に呼び出されたら帰ってしまう」ことも数回あった。当時をこう振り返った。
「深刻な要件ならいいのですが、(母親が)自分で運転していけただろう?というレベルの要件ばかり。今思えば『息子を取られる』と必死だったのかもしれません」
母親のほうも子離れできていなかった様子が窺える。ここまでは、まだ許せていた女性だが、後に「ドン引き案件」が起きたのだ。
それは、「彼の姪がらみ」だった。姉の子をとても可愛がっていた彼。デートに連れて来たこともあったくらいだ。そんな中、彼が勝手に「究極の選択」ゲームを始めたのだ。
「崖に〇〇(姪の名)とオカンがぶら下がってて、どっちかしか助けられないなら、オカンを助ける」
一人語りしだした彼に、女性は思わず、「なんで⁉」と聞いたそう。すると、彼の答えは、「(姪は)1人で生き残ってもかわいそうだから」。日頃から姪を可愛がっていたのに、この答えには、驚いたようだ。
「おかしいじゃないですか。姪と母親が崖っぷちという状況がもしあるとしても、姪には親がいるから1人じゃないし、『俺の子だと思って可愛がっている』とまで言っていたのに」
「助けたあとは自分で育てればいいじゃないですか?どっちも選ばないというならまだしも」
「なんでそんな意地悪を聞くんだ?」
こんな脈絡のない話をしてきたことに腹が立った女性は、こんな質問を投げかけた。
「じゃ、私とお母さんが崖にぶら下がってて、どっちか助けたらどっちかは死ぬならどっちを選ぶの?」
すると、どっちと答えるのでもなく、「なんでそんな意地悪を聞くんだ?」とキレたのだ。これには、女性もさすがに限界を迎えた。
「自分がはじめた話題にすら収集をつけられないのかと呆れ、『もういい。お母さんと末永くお幸せに!』と言って部屋から追い出しました。そして別れました」
女性は、「男は皆マザコン」であることを理解しつつも、「母を大事にするのと親離れできないのとは全く違う」と怒りを露わにした。今、思い出してもむかつくというから相当だったのだろう。
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