自分の家事能力を、炊事は不可能で、洗濯はたまに、「掃除は突然狂ったようにやるときもあるが、基本的に片付けられない」と評する。専業主婦というほど家事ができないため、「外でなんと名乗ればいいか、いつも困ってしまう」と、立ち位置が定まらず心が揺れている。
「ニートとは言いにくいし、専業主婦は嘘をついている感じだし。世間の専業主婦問題にも乗れないし。家計も私握ってないし。なんかいい名乗りないかなあ」
とつぶやくように煩悶していた。病んでいるうえに真面目な性格らしく、輪をかけて自分を追い込んでいる。子どもについて記述がなかったのでいないのだろうが、いたらいたで、「母とは言えない」と悩みそうだ。
ブックマークは200以上つき、励ましの声が多数寄せられた。大体が、「療養中ではダメなのか」や、「主婦」、「家事手伝い」、単に「無職」でいいんじゃない?という声だ。
「深く考えずに主婦でいんじゃね?家事量を図る言葉でもないし」
「ニート、無職とかで良いと思う。(中略)働かずに生きていけるなら働く必要は無い。恥ずかしくない」
また、「肩書なんてテキトーに作って名乗っておけばいいよ」というように、わざわざすべて真面目に答える必要はないという声も多かった。
ただ、投稿者は肩書きよりも、お金を稼げない上に家事もできないことで、罪悪感があるのだろう。コメントには、少数だが
「無職orヒモだろう。女性様だけ特別扱いする義理はない」
「男の場合、家事をしててもヒモと呼ばれるので女性もそれでいいのでは」
とする突き放した意見もあった。「堂々と無職を名乗れない風潮」との指摘が的を射ている。
子どもがいても働く女性6割以上 無職にのしかかるプレッシャー
「無職」は、昔から堂々と名乗れるものではないけれど、最近は働きたくても働けない人にまでその肩身の狭さが及んでいるように感じる。
国立社会保障・人口問題研究所によれば、「子どもの追加予定がなく末子が0~2歳の夫婦」の場合、妻は47.3%が就業しており、「末子が3~5歳の場合」は61.2%にも跳ね上がる(2015年の調査)。幼い子どもがいても働く女性が増えているのだから、独身者や子どもがいない場合の「無職のプレッシャー」は相当なものだ。
今月15日には政府から、労働者を70歳まで雇用できるよう法律を改正する案が出た。もちろん働きたい人にとっては良いのだが、歳を取っても金銭を稼げなければ生きていけない、と言われているような息苦しさを感じてしまう。
投稿者は精神を病んで退職したのだから、気兼ねなく休むことが療養に繋がるはずだ。しかし、まったくの健康体であっても、お金を稼ぐだけが労働ではないし、働かないで生きることを選べるなら、それは本人の自由だ。他人に批判されるいわれはないのだが、日本経済の余裕の無さが、どうしても人の目を気にする状況を作りだしてしまうのだろう。