優しさにつけ込む人がいる。宮城県に住む50代の女性はかつて、そんな職場の同僚に苦しめられていた。
「10年くらい前の事です。同僚(15歳年上)から搾取されてると感じた出来事です」
と苦々しい思い出を語った。(文:真鍋リイサ)
「何倍にもなって返ってきてラッキーだわ」と味を占めた同僚
「搾取」が始まったきっかけは、「作りすぎてしまったからとちょっとした物を頂いた」ことだった。手作りの菓子のようなものだろうか。
「量も多い訳ではなかったし、高価な食材でもなかったので、1度目は『ありがとう』『ごちそうさまでした、美味しかったです』と、言葉だけで済ませましたが、2回目はそうもいかないのでフルーツと共にお礼を述べました。何回か、そんなラリーをした時に『高価な果物貰えて、何倍にもなって返ってきてラッキーだわ』と言われるようになってきました」
この同僚とは「元々仲良くさせてもらっていて、出かけたりランチ行くような間柄」だったこともあり、そのときは「特に何かひっかかるようなことはなかった」というが、
「お誕生日には欲しがっていた物をプレゼントしても私の誕生日には何も無かったり……少しずつモヤモヤし始めてきました。その人の中の悪の部分を目覚めさせてしまった感じで、少しずつ要求されるようになってしまいました」
と、次第に「搾取」だと感じるように。嫌なら要求を断ればいいが、「仕事上の付き合いもあるので無碍にはできず不本意ながらも要求を飲む形」になっていったと振り返る。すると同僚の「搾取」はエスカレートしていった。
「ランチ行っても『財布忘れた』『今、細かいのなら無いから立て替えてて』と言われたり、何か手作りの物を持って来た時は『お返しは◯◯がイイ』と言われたり…さすがにこれはマズイなと思ってきました」
「仕事辞めるんだから記念にちょうだい」と高価なサプリをねだられ……
同僚が退職する事になり、「これで搾取されずに済むな」と安堵していた矢先、
「『仕事辞めるんだから、記念に◯◯ちょうだい』と、私が愛用している高価なサプリをねだられてしまい、さすがに黙り込んだら『いろいろあげたでしょう! いろいろ仕事でも助けたでしょう! それなりのお礼は常識だよ』と畳み掛けられ……」
最後の最後まで無理やり要求してくる同僚に根負けし、結局渡すことになってしまった。
「もう会わないのだからムシしようかとも思ったけれど、『渡さない自分がケチなのか?』とも考えてしまい、どっちにしても不満になるなら手切れ金じゃないけど渡そうと思い、あげることにしました」
長年苦しみ続けた女性だったが、同僚の退職後は縁を切ることができたという。
「退職後、連絡来ましたがムシしました。連絡先も削除し縁を切りました。イジメと同じで、言い返せない弱い人を狙って搾取してくる人が、その人だけじゃなく何人かいたなぁ……と思います」
女性は「きっと私が、そんな狡い人を引きつけたり悪の部分を目覚めさせてしまったりしてしまっているんだと思います」と締めたが、優しさにつけ込んで他人にあれこれ要求してくる方が悪いことに間違いないだろう。
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