発案の背景には、やはり新型コロナウイルスの影響がある。Buster150%さんを含め参加者の全員が海外旅行を計画していたものの、泣く泣く断念した。
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「海外はもちろん、国内でもなかなか遠出しづらい昨今だからこそ、手軽に旅行気分を味わえる機会を思い付きました」
「国際線機内食オフ」の内容は、ただ自宅で機内食を食べるだけではない。当初はシンプルな内容を考えていたというが、「仲間内で構想を膨らませるうちに『できるだけリアルにしよう』という話になりました」と経緯を語る。
具体的には、自宅の照明を間引いて薄暗い機内泊の雰囲気を再現。YouTube上にアップされている機内効果音を流すほか、参加者もCA風の衣装に身を包むほどのこだわりようだ。さらに、テレビ画面には実際の機内モニターに使用されているフライト地図「Flight Path 3D」のスマホアプリ版をミラーリングし、よりリアルな空気感を演出した。
「できるだけ『飛行機に乗っている』という空間へ没入できるようにしました」
食材・食器類はダイソーやIKEA、Amazonなどで購入
「トレーや容器、カトラリー類をあらかじめ冷蔵庫でキンキンに冷やしておくとめちゃくちゃ雰囲気が出る」
思わず「そんなところまで?」とツッコミを入れたくなるほどにリアリティーを追求したが、一般家庭でもマネできるものだろうか。Buster150%さんはその後のツイートで「おうち機内食、思いのほか安上がりだしその辺のお店で粗方揃うのでオススメです」などと投稿している。
食材や食器類は、どれもダイソーやIKEA、Amazonなどで購入したものばかりだ。実際にかかったコストを聞いてみると、
「食材のほかトレーや容器なども含めると一食あたり1300~1500円ほどの計算となります。ただし容器類は繰り返し使うことが出来ますので、回数を重ねるごとに一食あたりの単価はこれより安くなります」
と明かす。さらには「ANAが通信販売している冷凍機内食が費用の半分以上を占めているため、メインディッシュを自分で調理すれば更にコストは抑えられそうです」と工夫次第ではより手軽に自宅で機内食を味わえそうだ。
今回が初めての開催だったという「国際線機内食オフ」。”オフ”と銘打ったものの、実際には不特定多数の人を呼び込むわけにもいかず、3~4人の知人で集まり、感染対策を徹底した上で行った。ツイートでも、
「いやはや楽しかった。昨日の晩から1ミリも動いてないのに終始移動しているような錯覚を覚えたし、着陸した瞬間は16時間の長旅が終わったような疲労感を久々に味わえた」
と感想を綴っている。
大きな反響を集めたことに関しては「国内・国外を含めなかなか遠出しづらい昨今だからこそ共感いただける部分が多かったのかなと思います」と印象を語る。
「いずれこのコロナ禍が落ち着いて、手軽に当たり前に本物の機内食を食べられる日が来ることを切に願っております」
確かに新型コロナウイルスの不安を感じずに、海外旅行に行ける日々が戻ってくるのは待ち遠しい。だが、どうしても”待てない”という人は今回の「国際線機内食オフ」を試してみてはいかがだろうか。