シングルマザーの家庭で育った女性は、「その日暮らしの生活だった」と当時を振り返る。本来なら家計を助けるために早い段階から仕事に就くところだが、女性には高卒で働く選択肢はなかったという。
「貧困を抜け出したい──。そのためには、ある程度の大企業に入る必要があった。高卒で就職できる会社に大企業はない。それは偏差値が低い高校に通っていたからかもしれない。だが実際に入ってくる求人は、零細企業ばかりであった」
その後、大学に入学できた女性は、寝る間を惜しんでアルバイトに励んだ。結果、すべての学費を自身のバイト代で賄うことができた。そして無事に卒業にいたったという。
「専門知識は就職後に補えても、教養を補う機会はない」
「決して偏差値の高い大学ではないが、大企業の選考を受ける資格は手にできた。その甲斐あって、高卒では絶対に入れないIT系の一部上場企業に就職した。会社の同期や先輩には、国立大の大学院や一流大学を卒業した人が多くいて、私も同じ土俵に上がれたことが嬉しかった」
女性は、現在にいたるまでの経験を総括する。
「貧乏な家庭でも、奨学金を利用したり、アルバイトをしたりして学費を賄っていくことは可能である。一方、教養面でいえば、やはり高卒の友人と会社の同期ではまったく違う。専門知識は就職後でも補うことはできるが、そうした教養面を会社で補う機会は少ない」
それを踏まえた上で「学歴は必要。そう私は考える」と結論付けた。
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