霊感持ちの父、”最強の数珠”が効かない霊に出会う 退治したのは謎の男性 | キャリコネニュース - Page 2
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霊感持ちの父、”最強の数珠”が効かない霊に出会う 退治したのは謎の男性

父が20代後半だったころ、結婚して筆者が生まれる少し前の話だ。父は母の友人でもあるN子から相談を受けた。「部屋におばあさんの幽霊が出る」というのだ。N子は実家で両親・妹と住んでいたが、幽霊はN子の部屋にだけ現れ、他の家族は見たことがない。毎日遭遇するわけではないが、首を絞められ金縛りにあうという。

当時、霊感が冴え渡っていた父は、ある程度の霊なら退治することができた。自分の力に自信があり、N子の自宅へ霊視しに行くことになった。

ある夜、父は母とともにN子の自宅に向かった。N子の両親は出かけていたが、N子の妹とその彼氏が来ていた。父は5人で家全体とN子の部屋を見てまわったが、何の気配もなかったという。

父は、たいてい部屋に入った瞬間にハッキリと存在が見えたりするのだが、霊は姿を見せない。そこで「おばあさんの霊を呼び出してみよう」と降霊会をやることになった。

降霊会といっても、こっくりさんのようにやり方があるわけではない。リビングでローテーブルを囲んで、5人が円になるようにソファに座り、おばあさんの霊が現れるように念じてみた。

父が座っていたソファの後ろには、庭に出る大きな窓があった。窓も鍵も閉まっており、カーテンもぴったり閉じていた。

5人で念じ始めた瞬間、急に部屋の電気が消えた。女性陣も叫び声をあげた。すぐに電気はついたが、窓のカーテンが突然膨らみ、父の頭上をかすめた。窓は閉まっており、風が吹き込むはずもないのにカーテンが舞い上がったのだ。

現場はパニックとなり、降霊会は中止になった。しかし父には、四つん這いになっている獣のような、動物の霊が見えていた。すぐに心の中で護身法の九字を切ると気配は消えた。父はおばあさんの霊と対面できなかった。

しかしN子があまりに怖がるので、自分がお守りとして持っていた「不動明王の数珠」をあげた。この数珠は火事で焼け死んだ老婆の霊から父を守ってくれたもので、「これがあれば大丈夫」と父は思っていた。

弾け飛ぶ数珠に、原因不明の高熱 

それからしばらくは何事もなかった。父と母の間には筆者が生まれて子育てに慌ただしく、N子と連絡を取ることもなかった。またその頃、筆者は命にかかわる病気を患い、父と母も看病につきっきりになった。

そんな時、久々にN子から連絡があった。N子の声は、切羽詰まっていた。

「H(父)君、昨日またおばあさんが出てきた。もらった数珠が効かなかった。数珠が弾け飛んでしまった……」

父は「あの数珠が弾け飛ぶなんて……」とゾッとした。しかし筆者が生死をさまよう状態だったため、すぐに行ける状態ではなかった。「娘の病状が落ち着いたら必ず会いに行く」と約束した。

しかしそれから1週間もしないうちに、N子の父親から電話がかかってきた。

「N子が大変なことになって入院した。高熱が出て毎日うなされて、顔もひどく爛れてる。病院でも原因がわからないと言われてしまった」

N子の両親も、N子がおばあさんの幽霊に怯えていることは知っていた。「山陰地方に除霊ができる有名なお寺があると聞いて調べているんだが、こういうことはあなたに相談した方がいいと思って」と、両親もただ事ではないとがわかっていた。

父は知っている限りのお寺やお祓いに強い関係者の情報を伝え、「娘の状態が落ち着いたら必ず病院に行く」と約束した。

入院先に行けたのは、それから1か月後だった。父はかなり心配していたが、病室のN子はすっかり元気になっていた。顔もきれいな状態だった。父はすぐに駆けつけられなかったことを謝ったが、N子から不思議なことを言われた。

「うなされていたら、男の人が病室に入ってきた。私を見て『これはいけない。大変なものがついている』って。ベッドの横に座って何か唱えてくれた。その日から毎晩来て唱えてくれて、少しずつ熱が下がって、顔が爛れていたのも治まったの……」

どうやら父以上に霊感が強く相当な力を持つ男性が、偶然同じ病院に入院していたらしかった。

「体調が治ってからその人を病棟で探してるんだけど、いないの。同じフロアにいるはずなんだけど看護師さんに聞いてもわからなくて。でも、あなたみたいに不思議な力を持った人だった」

父の数珠が効かないほどの霊を退治した男性の正体は、今もわからない。おばあさんの霊も獣の霊も何だったのか分からない。

※キャリコネニュースでは引き続き「幽霊はいると思いますか?」に関するアンケートを募集しています。

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