霊感ライターがラブホテルで遭遇した幽霊 浴室のドアを開けるとそこには…… | キャリコネニュース - Page 2
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霊感ライターがラブホテルで遭遇した幽霊 浴室のドアを開けるとそこには……

大学卒業後、ゼミ仲間は全国に散り散りなったが、定期的に集まるなどずっと親交が続いている。その中でも関西にいるYちゃんとは就職後も頻繁に連絡を取っていた。ある体験をしたのは大学卒業から数年後、20代半ばの冬だ。

当時の筆者は職業柄、正月やお盆休みは取れなかったのだが、たまたまその年は年末年始に珍しく休みが取れ、中国地方にある実家に帰省することができた。するとフットワークの軽いYちゃんが関西から実家まで遊びに来てくれた。

その流れで「島根県にいるゼミ仲間に会いに行こう」ということになった。年末年始の時期ではあったが、島根の友人も突然の提案を快諾してくれた。筆者の実家から島根県まで、Yちゃんと車で弾丸ツアーをすることになった。

友人に会うことが旅の一番の目的だったが、せっかく足を延ばすので「翌日は鳥取県にも行ってみよう」ということだけ決めた。とはいえ、時期的に旅館やホテルは満室。「もし旅館が空いてなければラブホで仮眠しようか」と行き当たりばったりの旅が始まった。

当日、島根に到着したのは昼過ぎ。ゼミ仲間の友人夫婦と久々の再会を楽しんだ。夜遅くまで盛り上がり、そろそろ解散。友人から宿はどうするか聞かれ、決まっていない旨を伝える。「ラブホでもいいんだけど、近くにある?」と尋ねると、「X温泉街に行けば何かしらホテルはあると思うよ」と教えてもらった。

実はこの時、筆者は若干嫌な予感がした。というのも、X温泉街は幼い頃に家族で旅行したことがあり、泊まった旅館で霊的に妙な体験をしたことがあるからだ。

とはいえ相当昔のことだし、たまたまその時泊まった旅館に何かあっただけだろうと思い直し、深夜のX温泉街を目指すことにした。

「もし入ってみて変だったら教えてね。その時はすぐ出ようね」

Yちゃんと車を飛ばす。温泉街の入り口である大きな道路に入りかけた時、なんとなく空気が変わった。重たいというか、監視されているようなピリつく空気だ。筆者もYちゃんも口数が減り、車内は静かになった。

深夜の温泉街は開いているお店もなく、静まり返っている。筆者たちはラブホが並んでいるエリアに移動し、空いているホテルに入った。そこはワンガレージタイプで、駐車場からそのままチェックインできた。

ちなみにYちゃんは筆者が霊感持ちなのを知っている。車から降りる時に「もし入ってみて変だったら教えてね。その時はすぐ出ようね」と先に言われた。

実を言うと、入る前から「なんか嫌だなぁ」とは思っていた。ただそれの原因がホテルなのか、温泉街全体なのかがわからなかった。

部屋に入った瞬間、「何かいる」とすぐに思った。しかし姿は見えない。ドア開けて短い廊下を進むと、目の前にベッドルームが広がる。ベッドルームには何もいなかった。ただ、左後方から気配を感じた。

思いきってそちらを向くと、脱衣所とバスルームがあった。電気をつけてバスルームのドアを開ける。すると、浴室の隅の床に男性が体育すわりで座っていた。男性全体に黒っぽい靄がかかっていて、顔はよく見えなかった。

「やっぱりいたか……」と思い、そーっとバスルームのドアを閉める。幸い男性はこちらに気づいていなかった。Yちゃんもなんとなく察し、「やめとく?」と聞いてきた。「そうだね、後で話すけど出よう」。

相手はこちらに気づいていないが、さすがに同じ空間で過ごすのは落ち着かない。Yちゃんがフロントに電話し、キャンセルしたい旨を伝える。すると理由を聞かれたようで、「あー、ちょっと霊感強い子がいるので」と正直に答えた。すると料金も取られず、出ることができた。

急いで車に飛び乗り、結構なスピードでその温泉街を後にした。最初に「空気が変わった」と思った地点に戻るまで、2人とも言葉を発しなかった。ある地点を過ぎると空気がふっと軽くなり、気持ちが楽になった。

Yちゃんから「お風呂に何がいたの?」と聞かれたので、正直に男性がいたことを伝えた。さらに「実を言うと温泉街に入る手前からちょっと気味が悪かった。空気が重たいというか、ピリピリして……」とも伝えた。

Yちゃんからも「実は私も、温泉街の入り口にさしかかった辺りから怖かったんだよね」と明かされた。筆者もYちゃんも、同じ場所で妙な変化を感じとっていたようだった。

結局明け方まで車を飛ばし続け、そのまま鳥取県入りした。

筆者は過去にもX温泉街で心霊体験をしているため、この温泉街自体に何かあるのでは、とも思う。ただホテルにいた男性は、あの部屋で何かがあって漂っているのだろう。温泉街が放つ重たい空気と、あの男性とは関係ないように思う。みなさんもラブホを選ぶ際は慎重に。

※キャリコネニュースでは「幽霊はいると思いますか?」に関するアンケートを募集しています。

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