「首相も都知事もリアルな社会人の生活を理解してない」 “間引き運転”で露呈した政治家たちの「わかってない」感 | キャリコネニュース - Page 2
おかげさまで9周年 メルマガ読者数
65万人以上!

「首相も都知事もリアルな社会人の生活を理解してない」 “間引き運転”で露呈した政治家たちの「わかってない」感

井上氏は「ゴールデンウィーク中も仕事があったので外出する機会があったが、以前と変わらないほどの人がいた」と街中の印象を話す。

「菅首相や小池都知事は『ホワイトカラーならば、言えばテレワークにシフトする』という考えかもしれませんが、現場仕事を始めとするブルーカラーの人はそうもいきません」

井上氏の印象では、朝6~7時に電車で通勤する人の量はやや減っているかもしれないが、10時台にいたってはいつもより混んでいるという。「飲食などのサービス業、交代勤務の人は働き方が変えられないので、かえって普段より混んだ電車に乗っています」と首を傾げる。

それにも関わらず減便という政治判断に、不満を抱いているようだ。井上氏は、

「感覚的に捉えられていないと思います。私鉄を含む在来線はずっと混んでいて、乗客の荷物を見ていると現場仕事の方も多いと感じます。ところが、政治家が実態にそぐわない対策をしていることで、チグハグさを感じています」

井上氏の周囲にも完全にテレワークで仕事をこなす人がいるという。その人は商社のように、工場で製造した洋服の移動を指示する仕事をしており、普段はスマホを片手にインターネット経由で指示を送っている。

「ところが、指示を受けた運転手、荷さばき役の労働者は結局現場にいなければなりません」

管理側の仕事内容はテレワークに移行しやすくても、現場にはその指示を受ける人がいなければならない。「そうすると電車やバスに乗らねばならず、国に『来るな』と言われて来ないわけにはいきません」と労働者側の心情を解説した。

根底にあるのは「菅政権の場当たり的な政策発表」

では、どのような政治姿勢が望ましいのか。井上氏が指摘するのは、菅政権の場当たり的な政策発表のまずさだ。

「首相は根拠を示した上で『こう決めました』と公表すべきですが、菅首相の場合はいつもエビデンスに欠けると感じています。何かをお願いする時には、必ず根拠と期限を示した方がいいと思います」

その上で「例えば、現在は国内のワクチン普及にお金を使うので、それが終わるまで公的補助は待ってください――というように話せば、みんな納得すると思います」と語った。

こうした政策説明の下手さが目立っているため、国民も言うことを聞かなくなっている。井上氏は、

「JRからしたら乗客の安全を守ることが一番です。万一誰かが転倒し、ドミノ倒れになる可能性もあります。構内の安全を確保するためにも、通常ダイヤで走らせるのは当たり前ですよね」

と改めて話し、国や都の要請がいかに的外れなものだったかを強調した。

【PR】注目情報

関連記事

次世代バナー
次世代バナー

人気記事ランキング

  1. 子猫が海に投げ捨てられた!? 砂浜でビニール袋に入った3匹を拾い、保護した釣り人YouTuberに話を聞いた
  2. コロナ感染したバド桃田選手への「自覚が足りない」という批判に元アスリートが感じたこと
  3. 日大、学生に「大学のイメージ下げる行動は慎んで」と通達 現役学生は「イメージ下げているのは大学。むしろ学生に謝罪して」と憤慨
  4. ヤマザキ「春のパンまつり」で点数シールの盗難が問題に 小売店は困惑「商品の袋が破けていることもある」
  5. 首都大、2020年4月から「都立大」の名称復活 「教育研究成果を都政へ還元」「東京都が設置したことを明確化」
  6. 「介護は人間がやるべき」と思っている人が半数以上 「ロボットから愛を感じることができますか?」という声も
  7. 学校で何年生からセックスや避妊について教えるべき? 高校生の性交経験率は約3割、「きちんとした情報を知らないとリスク高い」
  8. 通勤電車内での時間「有効利用」の人ほど収入に満足? 立っている時の過ごし方、20代はSNS、60代以上は「何もしない」
  9. 徳利の謎マナー、業界団体は「積極的に広めなくて良い」 「注ぎ口を使わないほうが良い」ネットで拡散
  10. 米国の医師が教える「毒母」への対処法 娘に対する支配的な言動の要因を探る

アーカイブ