仕事で指摘を受けても「社内で謝る必要なし」 ITベンチャーのカルチャーに賛同の声
仕事に不慣れなうちは、誰でも上司や先輩の指導を仰ぎながら働くことになる。相手の時間を割いて指導してもらうのだから、ついつい「すみません」などと言ってしまうものだが、「社内では謝らなくてもよい」という考え方もあるそうだ。
IT企業ソニックガーデン代表の倉貫義人氏が7月8日、SNSサイト「Medium」にこんな記事を投稿している。同社でも、仕事で指摘をすると謝ってしまう人がいる。しかし、倉貫氏は「それは良くないよ」と言っているのだという。
仕事は「ユーザやお客様を向いてするもの」
上司が仕事の仕方や成果物に対して指摘するのは、別に悪いことをしたからではない。そのため、「謝る必要などない。私に謝って欲しくて指摘している訳ではないのだ」と力説する。
「謝るってことは、私を向いて仕事をしていることになる。それは良くない。仕事はあくまでユーザやお客さまを向いてするものだ。社内の人に向いて仕事をするのではない」
指摘は、あくまでも成長してもらうためにしているのだから、「社長の顔色なんて見なくていい。良い仕事をすればいい」。本当に迷惑をかけたり、悪いことをしたりした場合は謝る必要があるが「それはまた別の話」としている。同社ではこうした「社内なら謝らなくてもいい」カルチャーを大事にしているのだという。
これがネットで話題になっている。相手を慮って、ちょっとしたことでも謝ってしまう日本的な感性からすると変わっているが、はてなブックマークでは「ほんとそのとおり」と同意する声が相次いだ。
「ミスを指摘してくれたことへの感謝か、新しい発見の驚きであるはずなんだよね。お客のほうを向いていれば」
「新卒ですいませんって言われても、わからないのが普通だからなあって思う」
「同じ指摘を3回もするとさすがに謝って欲しくなる」という人も
一大事のように謝る人については「サーセンくらいの軽い感じでいいよ」というコメントも。誰かが死んだわけでもないのに「沈痛の表情」で謝られても困る。大事なのは「分かったか分かってないか、納得したか納得してないかの反応」だというのだ。
中には、指摘を受けたときは「ありがとうございます」と言うようにしている、という人や、「俺は外でも謝らない」という強者もいた。
一方で、「同じ指摘も3回目になると流石にすいませんの一言でも言ってもらいたくなる」という書き込みもある。また、「すみませんは謝罪じゃなくね?」という指摘も。現代の日本では「すみません」という言葉は枕詞のようになっており、実際は特に意味はない、というのだ。
意外と複雑な「すみません」問題だが、いずれにせよ最終的に目指すところは、いかに前向きに仕事をするかだ。従来のように何かと謝るのは確かによくないが、全く謝らないというのもそれはそれで不要なトラブルを招きそうだ。そこのところはバランスというところだろう。
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