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通話回数は20年で40分の1の公衆電話 もはや存在感・激薄でも「なくなりはしない」理由

時代の変化と共に、通信手段は変わっていく。例えば、モールス信号。比較的近年まで船舶では用いられていたが、1999年に衛星を使った通信にすべて切り替えられた。電話が普及する以前は「父危篤、すぐ帰れ」のような緊急用途に広く用いられていた「電報」も、いまや使うのは結婚式や葬儀のときぐらい。ちなみに電報にはかつて「ウナ電」といって、急ぎで届けてくれる「至急電報」という制度が存在した(1976年に廃止)。英語の「urgent」のuとrが和文モールス符号のウとナに当たるからウナ電……なのだが、もはや知っていてもなんの得にもならない無駄知識である。

ケータイやスマホの世帯保有率は96.8%(2020年時点)というから、みな持っているのが当たり前。逆に公衆電話は、もはや使おうと思うと、ウロウロと探さなくてはならない存在だ。ちなみに手元にスマホかパソコンがあれば東西NTTのサイトから「公衆電話設置場所検索」で探せるが……手元にスマホやパソコンがあるなら、公衆電話をわざわざ使う必要もほぼないのだ。

そんなわけで、もはや役割を終えたかに見える「公衆電話」が、まだ全国に15万1313台(2019年時点)も残っている。その理由は、「電気通信事業法」という国のルールで、東西NTTに公衆電話の設置と維持が義務づけられているからだ。維持費の一部は、固定電話・携帯電話の加入者が負担している。手元にあるケータイ料金明細をみてもらえれば、「ユニバーサルサービス料」という謎のおカネ(月あたり数円)がとられていると思うが、それが110番などの緊急通報や、災害時用公衆電話の整備・維持に使われているのである。

もっと減っていく見込み

公衆電話は災害にも強く、誰もがいざというときに使える通信手段とみなされてきた。ただ、さすがに公衆電話は、どんどん減っていく運命にあるようだ。総務省では長らく公衆電話の設置基準を市街地では約500メートル四方、そのほかは約1キロメートル四方に1台以上としていた。それが2022年4月に改定され市街地で約1キロメートル四方、そのほかは約2キロメートル四方となった。このため、全国の公衆電話は3万台ほどになると見込まれている。

逆に「災害時用公衆電話(特設公衆電話)」の事前設置は増えている。これは、避難所などに用意されている災害時に無料で使える電話で、NTT東西で8.6万回線が設置完了しているという。

公衆電話は維持管理が重要とはいえ、ユニバーサルサービス料だけでは賄えない赤字事業。2022年の国による補填額は68億円にものぼる。災害時の通信手段が別に登場したことで、その数がさらに減っていくのは時代の趨勢なのだ。でも、急にスマホが故障したときのことなんかを考えると、完全になくなっちゃったらけっこう困る気もするんだけどな……。

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