【3月16日、23日】「女性と性表現」オンライン・シンポジウム開催。今回のテーマは「表現者・ファンと炎上社会」 | キャリコネニュース
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【3月16日、23日】「女性と性表現」オンライン・シンポジウム開催。今回のテーマは「表現者・ファンと炎上社会」

「女性の性」をめぐる表現は、いま最もセンシティブな話題のひとつとなっている。もちろん、もはやジェンダーやフェミニズム、ポリティカル・コレクトネスの議論を避けて通ることはできないし、女性蔑視や女性の人権を踏みにじる行為は許されない。これに異論がある人はいないだろう。

しかし、性をめぐる表現は多様で、解釈の余地が広く、受け止め方も人それぞれなケースも多々ある。性表現のすべてが女性の権利を侵害したり、差別的であるわけでもない。そのアウト・セーフ判定は、誰がどのような形ですべきものなのか。

また、性表現をする人や、それを受け取る人の中にも当然、女性たちが含まれている。過度な規制は、逆に女性の人権(表現の自由・知る権利)を侵害してしまうことになるかもしれない。

そういった複雑なテーマを議論するオンライン・シンポジウム「表現者・ファンと炎上社会 ー女性と性表現2ー」が、3月16日と23日に開催される。主催は女性表現者の自由研究会。視聴・参加にはZoomが必要で、参加申し込みは3月16日分がこちらのリンク3月23日分がこちらのリンクからとなっている。

本イベントは2021年に開催されたシンポジウム「女性と性表現」の続編となる。2021年は、女性を描いた表現がネットで炎上するケースが相次いでいた時期だった。その中には女性表現者による作品もあり、作品を肯定的に受け止めている女性ファンもいたことから、シンポジウムでは「性表現の表現者・受け手としての女性」にフォーカスした議論が行われた。登壇者からは「女性の性表現者や受容者の存在を無視しないでほしい」「性表現の否定は、女性の自由や欲望を考える上でも大きな損失となる」といった声が上がっていた。

なお、当時の録画が3月17日まで特別アンコール上映されている。詳細はこちらのリンクから確認できる。

3月16日、23日の内容は?

2024年の今回は、また違う切り口で2日間(計6時間)にわけて多角的に議論する。表現をめぐる法的観点や、広告とジェンダー、ドラァグクイーン表現、コスプレ表現やイラスト表現の読み解き方、グラビア表紙問題、キャラクター論などを、当事者や研究者らが語り合う。

3月16日(17時〜20時)「公共編」の登壇者とテーマは次の通り。詳細・申し込みはこちらのリンクから

亀石倫子氏(弁護士)
「性表現における差別と法の問題」

山口浩氏(駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部教授)
「現在の広告におけるジェンダー問題」

マーガレット氏(ドラァグクイーン)
「日本におけるドラァグクイーン、女装の歴史」

3月23日(17時〜20時)「現場編」の登壇者とテーマは次の通り。詳細・申し込みはこちらのリンクから

茜さや氏(タレント/ライター/フリー素材モデル)
「グラビア表紙は女性差別なのか?若手アイドルのより良い表現現場のために」

松浦李恵氏(宝塚大学 東京メディア芸術学部 助教)
「自己表現としてのコスプレ」

YANAMi(やなみ)氏(イラストレーター/専門学校講師)
「イラストにおける男女の描き分けは差別なのか、未成年の表現者と表現」

中川譲氏(宝塚大学東京メディア芸術学部 特任教授)
「キャラクターは何故愛憎を集めるのか」

※演題は変更される可能性がある。

発案者・柴田英里さんが「知ってほしい」こと

シンポジウムの発案者で、当日は司会を務める現代美術作家、著作家の柴田英里さんは次のように語っていた。

《私は、自らの作品としては、近年ジェンダーやフェミニズム、ポリティカル・コレクトネス(ポリコレ)の観点から批判・炎上・撤回される、狭義の意味での『性表現』を作ってはいませんでした。だから、「性的に見える女性の表現」が炎上するとき、フェミニズムやジェンダー問題に関心を持つ人たちが、「自粛すべき」「撤去すべき」と真面目に発言していることに驚きました。

私は、作品制作もフェミニズム研究も行っていますが、誰にも「自粛すべき」「撤去すべき」と言われたことはありません。「性的に見える表現」とそれ以外の表現の間には、職業差別にも通じる、「高尚/低俗」という価値観に基づく侮蔑があるのではないでしょうか。

また、その表現で金銭を得て生活している表現者にとっては、「表現活動」は、労働の側面も持っています。特に、タレントやグラビアアイドルといった「企業のオーディション」などを挟む活動をする人は、自分の表現が不当に非難されても、実質的に反論しにくい構造もあります。「性的に見える女性の表現」が炎上する背後には、不当に職を奪われる人や、雇用に際して不利になるため非難されても反論すら難しい人などがいることを知って欲しいです》

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