残業ゼロの社員に月額1万5000円の「No残業手当」 スーツのはるやまが新制度導入
手当の支給対象は、店長よりも上位にある地区長やブロック長などの管理監督者を除く正社員1267人で、2017年4月度の給与から支給される。
仮に残業した場合でも、実働残業手当が月間1万5000円未満であれば、発生した残業代分を差し引いて支給される。たとえば月に8000円の実働残業手当が発生した場合は、7000円(1万5000円-8000円)が支給されるという形だ。
実残業による残業手当は全額支給されるが、残業時間ゼロを奨励することで会社としては人件費を削減できるというメリットがある。一方で社員としてはプライベートの時間が確保でき、心身の充実が図れる。同社の広報担当者はキャリコネニュースの取材に対し、
「残業代を削減できれば、会社には利益が残ります。その分を社員に還元するという仕組みです」
と、会社と社員の両方のメリットを語る。
同社は2015年に「『スーツで日本を健康にする』宣言」のもと、社員の健康の応援など3つの約束を掲げていた。今回の「No残業手当」導入はこうした動きの一環として実施されるものだ。
すべての社員が自ら「残業を無くそう!」と意識を向上させることが必要と考え、「残業をしない社員が得をする」という制度の発案に至ったという。
長時間労働をめぐっては、残業代を稼ぐためにわざとダラダラ仕事をする「生活残業」の問題も一般的によく指摘される。無意味な残業を減らし、生産性を上げるという意味でも、今回のような施策は有意義と言えるだろう。今後どの程度効果が出るか気になるところだ。
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