人事「SNSで実名検索して見つからない就活生に不信感」が物議 「むしろ本名でやってる人、どれだけいるの?」
この内容はトゥギャッターでもまとめられ、「なんという理不尽な時代」「もうどうすりゃいいのさ……」といった嘆きが寄せられた。ある人は「SNSをやっていることは前提」として、
「『実名でSNSやれないような人間』→『アカウントを特定されるとマズい人間』はダメだって感じかねえ」
と考えを述べた。こうなればもはや就活は、人事と学生の心理戦。就活生と思われる人たちは口をそろえてこう言う。
「メモ:メイン垢の他に実名のダミー垢を用意する」(編注:「垢」は「アカウント」の意)
「フェイスブックでキラキラ大学生感演出するしかねえな」
中には、「え、むしろ本名でやってる人どれだけいるの」と驚く人もいる。この「ネット上では『本名を使わない』のが当然」という認識については、2000年代以降にインターネットを利用しはじめた人に見られる特徴ではないか、と述べる人もいた。
この十数年で、ブログやツイッターなどで個人が簡単に情報発信できるようになった。しかし、うかつな投稿をして炎上状態になり、そこから個人が特定されて大問題になる、という事件も頻繁に起こっている。
これでネットリテラシーが教育されたというのに、人事はSNSが見つからない就活生に不信感を覚えるという。なんとも皮肉な結果だ。
「SNSにいないということは自己顕示欲がなくていい」という意見も
実際、人事はどの程度学生のSNSをチェックしているのだろか。人材会社のワークポートが2015年に発表した「採用担当者のホンネ調査」では、「選考する人の名前をGoogleで検索しますか、またはSNSをチェックしますか?」という質問に対して、5割もの採用担当者が「チェックする」と答えていた。
都内企業で新卒採用をしていた20代女性もキャリコネニュースの取材に「最終選考にあげる子のSNSはチェックしていた」という。しかし、実名で検索してSNSアカウントが出てこないということについては、
「変な自己顕示欲がなくて良いことだと思います。入社後も変な書き込みする場所もないので、ある意味安心です」
と話す。
この女性自身もSNSは別名・匿名で行うことが普通の世代だった。そのため、「就活では都市伝説レベルのものまで、色んな情報が飛び交います。アカウントなくて不信感、といっても恐らくごく一部の人事だけ。混乱してしまう学生がかわいそうです」と憐憫の情を抱いたようだ。