「逃げていい」という言葉は無責任なのか 匿名ブログに批判相次ぐ「立ち向かって死ぬよりマシ」「過労死するぞ」
新年度が始まるこのタイミングに、自ら命を絶ってしまう子どもが多いという。内閣府の調査によると、18歳以下の「一年で一番自殺が多い日」ワースト3に「4月11日」「4月8日」が入っている。
そんな中はてな匿名ダイアリーに4月2日、「イジメで学校に行きたくない人へ」が投稿された。投稿者は「学校へ行きたくない人は無理に行く必要はない」と考えている。信頼のできる人に相談をし、児童館・図書館・公園・フリースクールなど、なんとか時間を過ごせる場所を見つけてほしいと訴えた。
「学校に行かなかったら、人生が終わるわけではありません。学校に行かない人生を過ごした人、その後で幸福な人生を送っている人もいます」
「逃げることのデメリット」もちゃんと説明すべき?
この投稿に対して、あるユーザーは「『逃げても良いんだよ』と言われて逃げて、人生行き詰まったらどうする?」という記事を投稿した。この投稿者は先述の内容に疑問を感じているようだ。
「助けてくれない社会が悪いのは重々承知してるけどさ、人生どこかで逃げずに立ち向かわなくちゃいけないってことを教えるのも大事じゃないのか」
と「逃げるだけ」ではよくないと感じているようだ。しかし「逃げろ」という人たちに「赤の他人の人生に一々責任なんて負ってらんないよっていわれたらそれまで」とも思っている。
この投稿に対して、はてなブックマークにはさまざまな意見が寄せられた。中には「『逃げろ』って言うなら『逃げることのデメリット』についてもちゃんと説明すべき」と同意の意見もあった。実際に、逃げ続けたという人は、
「(1)逃げ癖がついた。(2)自分にまったく自信がもてなくなった。(3)『大丈夫』『いいよ』と言ってくれても社会的にはダメ」
と自らの行き詰まりを嘆いた。
しかし、大抵のコメントは投稿者の考えに否定的だ。「逃げ続けてきたが、氷河期でもそこそこ何とかなっている」という人もいる。その人は「真面目だった奴ほど大変なことになっている」と感じているようだ。
「逃げる」という言葉は、そもそも行き詰まった人への言葉
この投稿者の「逃げる」の認識について、多くの人が意見を述べている。
「今の辛い状況からひとまず距離をとって別の選択肢を模索するという考え方もある、という意味での『逃げてもいい』なのでは」
「確かに万事逃げたら人生終わるけど、逃げたい当事者が思ってるほど逃げるリスクは高くないってことを周知するのはとてもいいこと」
ある人は、「逃げる』ということは「自分の人生の主導権を、自分に取り戻す」ということだと言う。
「親でも上司でもなく、自分が主役だ。そう思うことが、結果として留まったり外に出たりでもよいだろう」
ここでは「逃げろ」と「立ち向かえ」なら前者の方がいいと考えていると見て取れるコメントが多かった。これに投稿者は、「反対意見言う人も、逃げるメリットを言う人ばっかりで、逃げて行き詰まったらどうする?って問いに答える人が全然いない」とコメントを補足。
「まあ、みんなわかってるんだよね、本当は、心の底で恐ろしい現実の絶望なんか見つめたくないからそうやって、みんな、逃げてるんだよね」
しかし「逃げる」という言葉は、そもそも行き詰まった人への言葉だ。はじめから逃げても良いと言っているわけではない。
「まず第一に『死ぬくらいなら逃げろ』、それ以外の場合は、選択肢の一つとして『逃げるというのもある』、位に考えれば良い。さすがに全部逃げてたら人生詰む」
他にも「立ち向かって死ぬよりなんぼかマシ」「逃げなかったら鬱や自殺、過労死になる」と感じている人が多いようだ。