「景気回復が実感できるのは年収200万円アップしてから」という提案話題 「年収300万→500万で結婚できるようになる」
景気が回復傾向にあると言われて久しい。2016年度の正社員の有効求人倍率は0.92倍で、集計を開始した2004年以来過去最高を記録した。
一方、好景気の実感がわかない人も多い。はてな匿名ダイアリーに5月14日投稿された記事、「景気が良くなったと実感するのは物価そのままで正社員が一律年収200万アップしてから」の投稿主もそのひとりだろう。
投稿主は「景気回復!なんて言われても、ぼくらは景気が良くなったなんて感じない」といい、皆が景気の良さを実感するために「物価そのままで正社員の年収200万アップ」が有効だと主張している。
「年収300万で『結婚なんて無理!』と言っている人が年収500万になったら『結婚してもやっていける!』ってなるでしょ?」
「気持ちは分かるが現実的に無理」という意見が多数
2014年に内閣府が発表した「結婚・家族形成に関する意識調査」では、未婚者が考える「結婚生活に必要な年収」の平均額は497.9万円だった。一方、同年の男女合わせた平均年収は410万円で、結婚生活に必要な年収額にはあと一歩及ばない。もし仮に年収が200万円増えれば、結婚に踏み切る人も多くなることだろう。
ただ、物価の上昇を伴わずに社会全体の年収が急に増える可能性は、限りなく低い。投稿主の主張は夢物語とも非難されているが、心情は理解できる、という人も多い。
「気持ちとしては言いたいこと分かるけど、実際は物価が先に上がるよね」
「実際できるかどうかではなく、これくらいだったら景気良いと感じる主観のラインの話。そういう意味ではわかる気がする」
また、「200とはいかなくても、この15年で50万円くらい平均給与落ちてるからその分は取り戻してほしい」と吐露する人もいる。
国税庁の民間給与実態調査では、1995年の平均給与額は457.2万円だったが、2015年は420.4万円と、その差は約37万円にも上る。全体の傾向として給与が減少傾向にある中、少しでも増えたらいいのに、という思いは、誰しも抱えているのだろう。
「上げるなら派遣が先」正社員と非正規の格差を縮めるほうが現実的という声も
一方で、社員の年収を一律で上げるより、非正規社員の待遇改善で社会全体の底上げをしたほうが、より多くの人にとって恩恵があるのではないかという意見もある。
「こういう正社員原理主義が、この20年の停滞を招いたともいえるんだよな。まずは非正規社員のような、リスク高い雇用形態の人から給料が上がっていくのが理の当然」
「上げるなら派遣が先だろうね」
2015年の非正規社員の平均給与額は170.5万円で、男性は225.8万円、女性は147.2万円となっている。もし非正規社員同士で結婚したい場合、二人の年収を足しても373万円にしかならず、前述の「結婚に必要な年収額」497.9万円までには100万円以上足りない。
コメントでは、そもそも景気は回復していないとする意見もあり議論も交わされていたが、「もうみんなが喜べるようなバンザイ好景気なんて来ないのだから、景気が良くなった悪くなったとか言い合うのやめませんか」と、冷静な意見もあった。