安売り規制でビールの値上がり続く 「買いだめ特需」は本当に起きるのか | キャリコネニュース - Page 2
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安売り規制でビールの値上がり続く 「買いだめ特需」は本当に起きるのか

「夏はビール!」党も多いのでは?

「夏はビール!」党も多いのでは?

ビールの価格上昇はネットでも話題になっている。2ちゃんねるでも5月24日、「【悲報】酒、6月より値上がりします!まとめ買いするなら今」というスレが立ち、「5月はまとめ買い~で酒が飲めるぞ~~」という声が寄せられた。

しかし一方で、「今日から断酒」「まとめ買いしても飲みすぎるからやめておく」という意見も多い。

施行前の「ビール駆け込み特需」はあるのだろうか。キャリコネニュースの取材にセブン&アイホールディングス広報担当は「今のところ、そのようなことは見られない」と話す。

「6月からの値上がりを謳った販売促進は行っていませんが、駆け込み特需があるとしたら月末でしょうか。給料日が25日の方も多いと思うので増えるとしたらこれからかもしれません」

また大手スーパーマーケットの担当者も「むしろ前年より少ない。ビールのトレンド自体、落ちているのかもしれませんね」と肩を落としている。6月以降、どれほどの値上がりが見込まれるかについて聞くと「改正酒税法を遵守した価格設定を行う」と述べるにとどまった。

一方、高級路線の成城石井も「駆け込み需要はない」というが、

「クラフトビールに力を入れているのもありますし、価格に左右されるお客様が少ないというのもあると思います」

といい、今のところ6月から価格を変更する予定はないと話す。

国税庁「酒は安ければ安いほどいい、というわけではない」

そもそもなぜ酒税法の改正に至ったのか。これは2006年の規制緩和で、スーパーや、ドラッグストア等でも酒類の販売可能になったことに起因する。

メーカーや卸売会社から販売奨励金(リベート)を受け、スーパー等はそれを原資にして大幅な値引きをしてきた。格安の缶ビールを目玉商品に集客し、仮に赤字が出ても他の商品の売上でカバーする、という販売戦略だ。ここから採算を度外視した価格競争が起こるようになり、主力商品が酒類である中小酒販店は経営不振に陥った。

これを受け小売酒販組合は40万件の請願書を提出し、2016年5月に改正酒税法が成立した。国税庁課税部酒税課の担当者は以下のように話す。

「目的は酒税の確保と適正価格への修正です。お酒は依存性が高いこと、また未成年の飲酒問題からも安ければ安いほどいい、というわけでもありません」

また今後の価格動向についてはこう語る。

「現時点で6月以降の価格は何とも言えませんが、現在メーカーが自社基準の見直しを行っています。すでに不当なリベートを減らしているメーカーもあり、そのため施行前に値上がりが起きているようです」

6月までにビール特需は起こるのか、それともビール離れが加速するのか。もはや見守るしかないようだ。

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