需要増でも「SEになりたくない」8割 一方、現役エンジニアの約半数が「やりがいも誇りもある」と回答との調査も
「やってみなければ分からない」。趣味でも仕事でも、同じことが言えるのではないだろうか。インターネット広告やシステム開発を行うSAKURAGUは8月23日、システムエンジニアについてのアンケート結果を発表した。
調査は7~8月にインターネットで実施し、20~50代の男女400人から回答を得た。
「激務」「不健康そう」のイメージが根強く、エンジニア本人たちとのギャップ有り
システムエンジニアのイメージを聞くと、1位は「激務」で52.6%。2位以降「忙しくて家に帰れない」(43.6%)、「不健康そう」(25.4%)と続く。「稼げそう」(24.7%)、「かっこいい」(23.1%)というポジティブなイメージはそれぞれ4位・5位と、上位3つには入らなかった。
今後のエンジニア需要は46.5%が「増えると思う」と答え、「今後の日本においてテクノロジー(インターネット)がかなり重要/まあまあ重要」と答えた人も88.6%にのぼっていた。
しかし、多くの人がSEの需要の高まりや重要性を認めているにも関わらず「もしなれるのであればシステムエンジニアになりたいと思いますか?」との質問に「思う」と回答したのは22.7%と3割に満たず、「思わない」が77.3%という結果になった。このギャップについて、同社広報担当は
「業界の昔のイメージもあるので、ある程度は想定していましたが、まさかここまで『思わない』が多いとは思いませんでした。当社も働き方や労働時間等に関して、これまで以上に取り組んでいかなければ、と改めて思いましたね」
と話した。「激務」「不健康そう」と思われ、多くの人に「なりたくない」とまで言われてしまうのが現状のようだが、現役のエンジニアは自身の仕事をどう思っているのだろうか。
VSNが24日に発表した「現場エンジニア1000人の意識調査」によると、約46%が働きがいも誇りも「ある」と答えていた。外から見たイメージと、働く本人たちの感じ方にはギャップがあるようだ。
エンジニアが1か月で趣味に使うお金は1万円強、スキルアップ費の2倍以上
一方で、待遇面に満足している人は29.4%に留まり、さらに28.5%が転職を考えていることも分かった。
調査を実施したVSNの広報担当はこの結果について「やりがいや誇りがあるからこそ、転職する人も多いのでは」と述べる。
「IT業界は新しい技術や製品が出るスピードが早く、新しい会社も続々と設立されています。そのため、エンジニアに関してはスキルアップ志向のある人こそ転職希望がある、とも考えられます」
待遇面については「特に日本のエンジニアは海外に比べて処遇が低い」とした上で「現在はエンジニア人材が不足し、各社が処遇改善に取り込んでいますので、少しずつ変わってくるのではないでしょうか」との見方を示した。
ちなみに、エンジニアが1か月に使う金額は、多い順に「趣味」1万3696円、「ファッション」7485円、「スキルアップ」6854円だった。同担当者は、
「エンジニアは何かにハマりやすい傾向があるので、ファッションよりも趣味にかける金額が高いのでは、との想定はしていました。『スキルアップ』は比較的高額になると予想していましたが、『趣味』がスキルアップの2倍以上あるとは思いませんでした」
と、意外な結果だったことを明かした。
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