20代フリーター「月収20万以下」が7割 「安心できる額」はやっぱり21万円以上
20代フリーターの実際の給料と理想はどの程度乖離しているのだろうか。人材会社レバレジーズは、11月16日「20代フリーターを対象にした給与に関する意識調査」の結果を公表。調査はインターネットで10月30日~11月5日まで、同社運営サイト「ハタラクティブ」の登録者・男女438人から回答を得た。
現在の月収と共に、「実際にいくら稼げば安心と感じるのか」「10年後に稼ぎたい給与」などを訊いている。(文:okei)
男女別、実家か一人暮らしかでも違う「安心できる額」
まず、「現在の月収」で一番多いのが16~20万円(33.9%)。次いで21~30万円(25.8%)と一旦は上がるが、10万円以下(25.5%)、11~15万円(13.4%)と続く。72.8%が20万円以下で、31万円以上はわずか1.3%だった。
国税庁の「平成28年分 民間給与実態統計調査(統計表)」から20代の平均賃金を見ると、およそ22万円なので、7割近くが平均を下回っているということだ。
レバレジーズの調査では「今、安心できる月収(衣食住に不自由がない)」を聞いたところ、全体で約6割の人が「21~30万円」としている。男女別で見ていくと、男性の方が高い金額をあげる傾向にある。男性では「31万円以上」が26.8%だったが、女性(10%)と比べて15ポイント以上多い。女性では「16~20万円」と回答した人が22.5%いた。
実家暮らしより生活費がかかるぶん、やはり1人暮らしのほうが「安心できる月収」は高くなっている。両者で1番多かったのは「21~30万円」で、実家暮らしでは63.1%、1人暮らしでは53.8%に上った。しかし、1人暮らしでは「30万円以上」とする人が26.6%。一方、「20万円以下」と答えた割合は実家暮らし(25.3%)が1人暮らし(19.6%)を上回った。
「10年後に稼ぎたい月収」を男女別で見ると、「安心できる月収」と同様、男性が高い傾向にある。男性では月収「31~40万円」の割合(53.7%)が最も大きく、「60万円以上」(31.6%)も3割以上だ。一方、女性は「30万円以下」(51.3%)が半数以上を占め、「60万円以上」は4.4%という結果に。
これは、「結婚、出産等ライフイベント後の働き方が見えにくい、女性ならではの将来の見通しの悪さが一因だと考えられます」と分析されていた。現実問題として、女性は年齢と共に給料がどんどん上がるというイメージを持ち辛い面があるだろう。
前述の国税庁の資料では、35~39歳の平均月収は男性32万3800円、女性25万3600円で7万200円もの開きがある。だがこのデータを見ると、多くの人が現実に即した額を挙げていることも分かる。
「1年以内に正社員になりたい人」8割を超える
翻って、男性が女性より希望額が高い傾向にあるのは、今の若い世代でも、将来結婚して家族を養うと考えるためかもしれない。そうでなくても、フリーターであろうがなかろうが、同世代と同じくらい稼ぎたいという気持ちはあるだろう。
アンケートは就職支援サービス登録者が対象なので当然ではあるが、「正社員になりたいか」の質問には、84.8%が「はい」と回答。8割の人が正社員になりたいと考えており、時期も7割以上が1年以内に正社員になることを希望していた。
※ウェブ媒体やテレビ番組等で記事を引用する際は恐れ入りますが「キャリコネニュース」と出典の明記をお願いします。