「メルカリNOW」人気の背景には「低所得者の増加」? 早速、アイテムを査定して喜ぶ声も
今年6月には、手元のアイテムをスマホで撮影して査定を受けると即座に現金を受け取れるサービス「CASH」がスタートしている。同アプリは、2か月以内にアイテムを送るか、手数料15%を上乗せして返金するかのどちらかを選ぶ仕組みだ。
今回は、メルカリで類似のサービスが始まった形だ。ただし「メルカリNOW」では売上金をメルカリ内で利用するか口座に引き出すかのどちらか。受け取った査定額を返金するという選択肢はない。
買い取り対象は、レディース・メンズの服飾品に限定されているが、今後カテゴリーを拡大する予定だ。1日の買い取り金額は上限1000万円で、毎日10時にリセットされる。手数料は無料で、集荷もメルカリが無料で行ってくれるという。
同社の広報担当者は、サービス開始の背景について、
「メルカリは国内で6000万DLを突破しています。しかしまだご利用いただけていない方から『時間がなくて出品できない』『商品売れるまで待てない』といったお声を頂いていました。『メルカリNOW』でそうした方に向けて別の選択肢をご提供したい」
と話す。
27日12時に買い取りをスタートしたが、利用が殺到しわずか17分で一時休止に。担当者は、「サービス停止でご迷惑をお掛けして、申し訳なく思っています。しかし多くの方に注目して頂き、大変嬉しく思います」と語った。午後3時頃には、復旧している。
消費者金融が衰退したことで、今度はフィンテックが盛り上がっている?
同サービスは、瞬く間にネットで話題に。あるユーザーは12時8分に「スニーカーがお金になった!」と査定価格120円の画像をツイートしていた。たとえ120円でも、不要なものが現金に変わり、再利用する人の手に渡るのは嬉しいことだ。「年末の片付け捗りそう!」と大掃除に向けて意気込む人も。
一方でITジャーナリストの井上トシユキさんは、
「フリマアプリや、即時買い取りサービスが隆盛しているのは、非正規雇用で収入が低く、毎日の生活費にも事欠くような人が増えたからではないでしょうか」
と指摘する。今回、メルカリNOWをローンチさせたのは、「顧客が『CASH』に流出しないように囲い込みを図ったのではないか」という。
また現金化サービスを利用しているのは、「以前なら消費者金融を利用していた人たちではないか」とも見ている。
「グレーゾーン金利が廃止されて消費者金融が衰退したことで、CASHやメルカリNOWへのニーズが高まっているのかもしれません」
消費者金融にしても、現金化アプリにしても、所得の低い人たちが必要としているサービスだということだ。井上さんは「アプリなどのサービスを規制するのではなく、背景にある貧困に目を向ける必要がある」とも語っていた。
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