「はれのひ被害者の会」が設立、きもの業界誌出版社が発起人 「業界みんながこういうことしてる訳ではないと知って欲しい」
各地で成人式が行われる成人の日、横浜市の貸衣装業者「はれのひ」が行方をくらました。当日、ホテルなどで着付けをしてもらう予定だった新成人の中には、美容師や他の着物会社が善意で着付けをしてくれたり、振袖を貸してくれたりしてなんとか式に参加できた人もいたが、その宛てもなく出席を諦めた人もいると報道されている。
こうした中、着物業界の専門誌を発行する「きものと宝飾社」(京都)を発起人に、「はれのひ被害者の会」を立ち上げようという動きが進んでいる。1月8日に同社のサイトで明らかにされた。
昨年夏ごろから「はれのひ」経営悪化の噂が流れていた
サイトでは、被害に遭った人に、領収書や申込書など証拠となるものを保管することや、国民生活センターへの相談を呼び掛け、
「料金を払ったにも関わらず、正当な対価を得られなかったことに関して、正当な対処を行ってください。弊社きものと宝飾社は、着物の業界誌・メディアとして着物業界の有志と連携して、被害者の会を立ち上げます。また卒業式のレンタル、2年後など将来のレンタルなどでのトラブルに関してもご連絡をおよせください。(状況や書面などに関しても確保保管しておいて下さい。)」
と記している。
同社の松尾俊亮編集長は9日、キャリコネニュースの取材に対し、設立理由を「着物業界は風評被害に弱く、1つの店の悪評が業界全体に響きます。みんながみんな、はれのひさんのようなことをしている訳ではないと知って欲しかった」と明かした。また、
「成人式は業界にとっても大事ですが、消費者の方にとっても一生に一回しかないもの。当日に飛ぶなんて極めて異例です」
と、はれのひの行動についても憤る。連絡がつかず、どこにいるのかも分からない「はれのひ」経営陣達には「経営者として良くないですね。資質が足りなかったんではないでしょうか」と苦言を呈した。
会には既に、メールや電話などで合わせて10件ほど、被害者からの問い合わせが集まっているという。
「30万円支払ったのに、業者がいなくなったせいで式に出られなかった、といった声のほか、来年の成人式に合わせて予約をしていたがどうしたらいいか、という相談もありました」
松尾さんが「はれのひ」の経営状況悪化を知ったのは12月下旬だが、一部では夏ごろから噂されていたという。被害者の会には、問屋やメーカー、小売業者など10社以上が協力体制にあるという。松尾さんは、「具体的な活動内容は今後決めていきますが、業界の他企業と連携し、被害者の方をサポートしていきたいです」と意気込みを語った。