プレ金スタートからもうすぐ1年、導入企業は1割に留まる 「導入したけど中止になった」という企業も
経産省主導のプレミアムフライデーがスタートしてもうすぐ1年。そうした中、DeNAトラベルは1月9日、「プレミアムフライデーの振り返り」調査の結果を発表した。調査は去年12月から今年1月にかけてインターネットで実施し、20歳以上の男女1297人から回答を得た。
企業に勤めている936人にプレミアムフライデーの導入を聞くと、89.4%が「導入されていない」と回答した。また「導入された」(10.6%)の中でも、2.7%は「異なる条件で導入された(曜日、退社時間が違う等)」で、1.0%は「導入されたが中止となった」となっている。同社は、
「今や毎月最終金曜日の15時に退社をしている人はほんの一握りであることが分かりました」
とコメントしている。
導入前は「旅行がしたい」 実際は「自宅でゆっくり」過ごした人が最多
プレミアムフライデーが「導入されている」「異なる条件で導入されている」と回答した人に、今後の継続について聞くと、「継続予定」が66.7%。しかし「中止予定」「条件を変更」(同4.4%)、「検討中」(3.3%)という人もいた。
同社の昨年1月に実施した調査では、導入されたらアフター3は「パートナー」(50.1%)と過ごしたいという人が最多だった。今回、実際に誰と過ごすことが多かったかを聞くと、圧倒的1位は「一人」(41.4%)。「パートナー」という回答は18.2%しかおらず、ぼっち状態で過ごした人が意外と多いようだ。
また昨年調査では「旅行」(70.9%)がしたいという人が多かったが、実際は11.1%に留まった。最も多かったのは「自宅でゆっくり」(41.4%)で、中には「仕事をした」という人も20.2%いた。
プレミアムフライデーが導入された人に、出費の増減を聞くと「増えた」「やや増えた」は合計29.3%と3割程度。「変わらない」が69.7%で最も多かった。
「有給が取れるのであればプレフラがなくても休める。意味がない」
プレミアムフライデー導入前後の働き方を尋ねると、「変わらない」が最も多く59.6%となった。しかし「良い方に変わった」も20.2%で、「悪い方に変わった」は10.1%となった。
30代の女性は「月末金曜と固定されることで予定が立てやすくなったし、その日早く帰るために仕事を早く片付ける気持ちになれるし、とてもいいと思う!!」と絶賛しているが、その一方で、
「月末の金曜日は一番休めない。いずれにせよプレミアムフライデーを取得させるより有給休暇を充実させるべきであり、有給が取得できるようなところはプレミアムフライデーなどなくても休むことができるので、この実施は全く意味のないものだったと思う」(20代・女性)
という厳しい声も寄せられている。50代の男性は、開店時間を繰り上げたが客数は少なく人件費がかさみ「何もいいことがなかった」という。導入企業によって賛否は大きく分かれるようだ。