2019年卒学生の志望業界、「銀行」が2位に転落 就職したいのは「将来性がある」「給与・待遇が良い」企業
就職活動を目前に控えた大学3年生は、どのような業界や企業に就職したいと考えているのだろうか。人材紹介を行うディスコは1月17日、19年3月卒の大学3年生を対象にした調査の結果を発表した。調査は今年1月1日~10日の間に行われ、1028人から回答を得た。
インターンシップを除き「選考中の企業がある」と答えた学生は20.3%で、前年の21.9%とほぼ同率。平均社数は2.0社だった。
また、志望業界が「明確に決まっている」という人は27.5%で、「なんとなく決まっている」は49.9%と、合わせて8割近くの学生が就職したい業界のイメージを抱いていることがわかった。では、学生の人気を集める業界はどこなのだろうか。
「給与・待遇の良さ」「福利厚生の充実」を重視する学生が増加
志望業界を40業界の中から5つ選んでもらうと、全体の1位は「情報・インターネットサービス」(19.1%)で、前年の9位から大きく順位を上げた。文理・男女別で見ると、「理系男子」(29.8%)の志望者が多く、全体の割合を引き上げたようだ。調査結果を発表したディスコは、「IT業界は早期から積極的に採用に向けて動くため、学生の目に留まりやすい」と人気の理由を述べている。
全体の2位は「銀行」で17.8%。メガバンクでの人員削減の影響を受けたのか、前年の1位から順位を落とした。3位は「調査・コンサルタント」(16.7%)だった。
4位には「電子・電機」(15.8%)、5位には「情報処理・ソフトウェア・ゲームソフト」、「素材・化学」(ともに15.6%)がランクインした。
就職先企業を選ぶ際に重視することを聞くと、「将来性がある」が47.4%で最も多く、「給与・待遇が良い」(44.2%)、「福利厚生が充実している」(31.5%)、「業績・財務状況が良い」(30.4%)などが続いた。
回答率を前年と比較すると、「給与・待遇が良い」(36.7%→44.2%)、「福利厚生が充実している」(26.8%→31.5%)の項目で上昇幅が大きかった。
大学の課題とインターンやESを同時進行でこなすことに「息苦しさを感じます」
就職後のキャリアプランを聞くと、「一つの会社に定年まで勤めたい」が48.2%で最も多いが、前年の49.7%より低下。3年連続で半数を割り込んでいる。一方で「一つの会社にこだわらず、転職などでキャリア・アップを図りたい」は前年の35.1%から36.6%に上昇した。
就職活動についての意見を聞いたところ、
「こなさなければならない課題・レポートや、後期試験に向けた勉強をする中で、同時進行でインターンシップ・本選考に向けてエントリーシートを書いたり、SPI 対策もしなければならない状況に息苦しさを感じます」(文系女子)
など、就活と学業の両立に悩む声が寄せられた。他にも、
「すでに今の時点からストレスを感じている。採用数が増加し、内定辞退に苦しむ企業が出るなど就活の売り手市場が進んでいるとあらゆるメディアから言われているが、果たして自分はきちんと手に職をつけられるのか不安しかない」(文系男子)
のように、就活への不安を寄せる意見もあった。