「子どもの学力や学歴は教育費次第」と考える親は6割半 一方で「教育費に不安」も7割強「収入の維持や増加に自信がない」
子を持つ親にとって、子どもの教育資金は頭の痛い問題です。かくいう筆者もその1人。子どもの将来のために習い事や塾などにお金をかけてあげたいのは山々ですが、好きなだけというわけにもいきません。
そんな中、ソニー生命保険が25日に公開した「子どもの教育資金に関する調査」は、興味深いものでした。調査は2017年11月、大学生以下の子どもがいる20~59歳の男女を対象にインターネットで実施。1000人の回答を分析しています。(文:篠原みつき)
「早期の知育や英才教育は子どもの将来のために重要」は7割
調査ではまず、子どもの教育や教育費についての項目を提示し、自身の考えがどの程度あてはまるか聞きました。
「子どもの学力や学歴は教育費にいくらかけるかによって決まると感じる」との項目に対しては、「非常にあてはまる」(17.7%)、「ややあてはまる」(47.9%)を合わせて65.6%が「あてはまる」と答えています。3人に2人が、教育費が多いか少ないかによって子どもの学力・学歴が左右されると考えていることがわかりました。
また、「早期の知育や英才教育は子どもの将来のために重要だ」に、「あてはまる」と答えた人は69.4%と約7割になった一方、「スポーツや芸術の習い事よりも学習塾に教育費をかけたい」では「あてはまる」は44.6%と、半数以下でした。子どもが幼いうちから学ばせる早期教育を重要と考える親は多いようですが、勉強一辺倒ではなく、スポーツや芸術にも触れてほしいと考える親が多いこともうかがえます。
こうした習い事や学習塾には、当然お金がかかります。お金をかけた分だけ成果が出るとは限りませんが、何もやらないよりは、勉強や特技・できることが増えるだろうと期待するのが親心です。
また、本来は、公立の小中学校で進学に必要な学力が得られることが理想ですが、ただ学校に行っているだけでは、子どもの将来のためには満足ではないと考える親が多いということでもあります。
消費税や社会保険料アップも負担に
しかし、教育費にそれほどお金をかけられない家庭や、かけたとしても負担が大きいと感じる親も多いようです。同調査で教育費の負担感について聞いてみると、「子どもの教育費の負担を重いと感じる」に「あてはまる」と答えたのは71.4%。7割強の親が、子どもの教育費が家計の負担になっていると感じています。
子どもの将来に関する質問でも「教育資金」に不安を感じる親は72.5%と7割台になりました。理由の1位は「どのくらい必要かわからない」(58.6%)で、次いで「収入の維持や増加に自信がない」(38.6%)、「消費税10%への増税」(30.8%)、「社会保険料の負担増」(27%)、「収入が不安定」(23.2%)など、なかなか身につまされる内容になっています。
いくら必要になるのかわからないことや、収入が今後どのように変化するかわからないこと、税や保険料の負担が増えることなど、様々な理由が重なって教育資金に不安を感じているのです。
塾などの教育費とは別の学費、高校や大学の入学金や授業料は、子どもの学力や志望校によって変わります。不確定要素が多く、不安になるものです。
もちろん外からの助けがなくても頭がいい、勉強が好きだという子もいます。しかし、大抵の場合、塾などにお金をかけることができれば、進学先の選択肢が増えると考えてしまうものです。子どもの学力や学歴は「お金次第」、あるいは「無関係ではない」と考える親が多いのも、やはり無理からぬことでしょう。