「アルバイトに遅刻、罰金3000円」は違法? 厚労省が新入学生向けに労働法の知識を啓発
同省の担当者は、キャンペーンについて次のように話している。
「労働局の職員が大学で出張相談を行ったり、総合労働相談コーナーという電話相談の窓口に若者相談コーナーを設置したりする予定です。2015年にキャンペーンを初めて以来、大学の出張相談はこれまでに計100~200回行っていて、相談に来た学生を監督署につなぐといった成果も出ています」
キャンペーンを始めるきっかけになったのは、2015年に行われた「大学生等に対するアルバイトに関する意識等調査」だ。学生1000人が経験したアルバイト計1961件のうち、労働基準法で定められている労働条件の明示がなかったケースが58.7%に上ることが明らかになった。
労働条件に関しては、「採用時に合意した以上のシフトを入れられた」(14.8%)、「一方的に急なシフト変更を命じられた」(14.6%)などのトラブルが生じていることも判明。
他にも、「準備や片づけの時間に賃金が支払われなかった」が13.6%、「1日に労働時間が6時間を超えても休憩時間がなかった」が8.8%だった。合わせて48.2%のケースで何らかのトラブルが生じている。
「店長に『代わりの人を見つけるまで辞めさせない』と言われた」も労働法違反
リーフレットには、労働法に関するクイズも掲載。
「『遅刻をしたら罰金3000円』というルールがあります」
「仕事中に誤ってお皿を割ってしまいました。月末のアルバイト代から勝手に弁償金を差し引かれてました」
「店長から『突然辞めると言い出すのは迷惑だ。代わりの人を見つけるまで辞めさせない。』と言われてしまいました」
などのケースがいずれも労働法違反であることがわかるようになっている。
事業主向けのリーフレットも作成した。アルバイトも労働時間を適正に把握する必要がある、商品を強制的に購入させることはできないといったことを、経営者に注意喚起している。