【最新版】医薬品業界の働きやすい会社ランキング 1位はアステラス製薬、「給与水準が高くボーナスも満足」、金曜日の16時退社制度も
企業口コミ・給与明細サイト「キャリコネ」は7月23日、「医薬品業界の働きやすい企業ランキング」を発表した。
本ランキングは、「キャリコネ」のユーザーによる「労働時間」「やりがい」「ストレス」「休日」「給与」「ホワイト度」の6項目の評価の平均点(総合評価)が高い医薬品業界に属する企業をまとめた。
高収入の武田薬品工業、「30代で1000万円に到達するのはザラ」
1位:アステラス製薬(3.87点)
~ワークライフバランス支援施策の先駆け。金曜日は16時退社~
同社は、金曜日を16時退社とする「ファミリーフライデー制度」を2009年に開始。。現在官民一体となって推進されている「プレミアムフライデー」に先んじた取り組みとして、メディアの注目を浴びた。評価項目別では「労働時間」「やりがい」「ホワイト度」の満足度が10社中1位となっている。
「他業種に比べると給与水準は高いと思います。また製薬企業なのでボーナスも満足いく金額が支給されます。仕事もやりつつプライペートを充実させたい方にはよい企業だと思います」
(管理関連職 30代後半 女性 年収500万円)
「MR職のメイン業務はやはり先生との対話です。その中でアステラスは、製品力という点でとても働きやすいのではないかと思いました。多くの薬をイノベーションにより創出し続けているため、先生も興味があるらしく、積極的に話を聴いてくださいます。先生のパートナーとして働けることが面白味ではないでしょうか」
(代理店営業 20代前半 男性 年収650万円)
2位:第一三共(3.76点)
~2025年に向け循環器・感染症から「がん」へ主力領域の転換~
積極的に管理職の意識改革を行い、退職した社員の再雇用制度やMRのエリア・時間限定勤務制度を整備。ライフイベントなどに応じた働き方を支援する制度が充実している。「給与」の満足度の評点は1位となっており、年収1000万円を超える口コミ投稿者も少なくなかった。
「課長や主任研究員で、年収1100~1500万円。年功的に収入が上がる傾向があり、20代や30代は同期であまり差が開かない。業界内の平均年収としては恵まれている」
(研究開発 40代後半 男性 年収1400万円)
「家賃補助に関しては地域ごとに基準が異なるし、自分がどの部屋を借りるかによるが、自己負担は8000円~2万円ぐらい。借り上げ社宅という扱いになるためこの部分は非課税。しかも寮、社宅ではなく、普通のアパートを自分で選べるため、両隣が社員ということにはならない」
(ルートセールス 20代前半 男性 年収450万円)
3位:武田薬品工業(3.68点)
~「世界で最も持続可能な100社」に3年連続で選出~
日本企業によるM&Aで史上最高額(2018年5月時点)の約6兆8千億円でアイルランド製薬大手「シャイアー」を買収。LGBT対応のために、性別を問わないトイレを用意した新社屋も話題になった。各評価項目でバランスよく高得点を獲得し、ベスト3入りを果たしている。
「(報酬は)日本の製薬企業ではトップクラスだと思います。20代で比較すると外資系のコンサル会社のほうが高いと思いますが、その後、徐々に追い上げていきますので、40代では同等レベルになっている気がします。30代で1000万円に到達するのはザラです」
(管理関連職 30代前半 男性 年収900万円)
「仕事の波により残業の多い時期・少ない時期はある。しかしパイプラインが少ないために残業がほとんどない部署もあったと思われる。ワークライフバランスは充実している。また、在宅勤務やフレックス制度が充実しているので、自己裁量で仕事がしやすい環境である」
(研究開発 40代前半 女性 年収1100万円)
ファイザーでは2週間の連続休暇を推奨、残業は「月30時間内」
4位:ファイザー(3.54点)
~1966年から完全週休2日制。1974年からフレックスタイム制も導入~
「ファイザー」は、日本でワークライフバランス支援が進んでいない頃から働きやすい職場づくりを行ってきた。近年は全社員が2週間(または1週間を2回)の連続休暇を取ることを目標とし、都が推進する「時差Biz」(通勤ラッシュを回避するための働き方改革)にも参加。フレックス制のさらなる利用促進や在宅勤務制度の整備も進めてきた「休日」の満足度では1位となっている。
「時期によって残業はどうしてもありますが月内30時間内に抑えられています。30時間を超えた場合は休日で対応、またはフレックスタイムなので遅出などの対応も出来ます。サービス残業もほとんどないので、ライフスタイルは作りやすいと思います。会社は残業ゼロを目指しています」
(企画営業 50代前半 男性 年収1500万円)
「休日がとりやすい風潮があります。2016年から2週間の夏休みをとろうという取り組みも始まりました。製薬会社のなかでもとても働きやすい会社かと思います。中途採用の方が多く、受け入れ態勢も整っています。ユニオン活動も盛んなため外資ですが内資のような一面もあると思う」
(法人営業 30代前半 女性 年収720万円)
5位:大日本住友製薬(3.42点)
~米国を中心にグローバル展開。精神神経領域と「がん」に注力~
2017年を「働き方改革元年」とし、在宅勤務制度の対象者拡大などに取り組んできた同社。特定の製品の専任MRを配置するといった営業体制の改編により、ディテール(医師への医薬品説明)数が減少したにも関わらず、売上が増加するという効率化に繋がったようです。寄せられた口コミでは、女性の働きやすさに関する満足の声も目立った。
「女性が管理職を十分目指せる会社である。ダイバーシティの流れもあり、女性管理職を増やそうという取り組みが盛んに行われている。優秀な女性社員は出世ルートに乗り、いずれ管理職になることが人事異動などを見ているとわかる。女性が管理職を目指すことは十分可能な会社となってきている」
(MR 30代前半 男性 年収800万円)
「福利厚生はかなり充実しており恵まれている。住宅補助について社員自己負担額は規定家賃の11%。その後、毎年1%ずつアップしていくシステム。転勤になったら11%に戻るため社員の個人負担は少ない。その他、カフェテリアプランがあり3万円分を旅行などさまざまな用途に使用できる」
(MR 30代前半 男性 年収750万円)
ジョンソン・エンド・ジョンソン、営業職は「完全成果報酬型で頑張れば頑張るほど高収入に」
6位:エーザイ(3.35点)
「残業は担当しているエリアや得意先によって大きく変わってくる。現在、会社からも残業時間に関しては厳しく管理されており、帰宅できる時間が早くなった。土日はしっかり休める環境。ライフワークバランスは比較的保ちやすく、土日で休んで仕事のオンとオフの切り替えは行いやすい」
(MR 20代前半 男性 年収600万円)
6位:田辺三菱製薬(3.35点)
「(福利厚生について)業界内でも極めて手厚いです。他のメーカーと同水準の営業日当に加え、特に住宅手当てが高く、地方勤務ならばアパート並の家賃で地域内でもトップクラスのハイレベルな住宅で生活することができます。保険制度も充実しており、万が一病気にかかり長期の療養が必要になっても治療費の大半は会社にみてもらえるので、長く勤めるのに適した会社かと思います」
(MR 30代前半 男性 年収620万円)
8位:グラクソ・スミスクライン(3.29点)
「各領域において画期的な製品が多く、医師からのニーズも高い。透明性、倫理性の高い仕事が行える。キャリアについてもさまざまな取り組みが行われており、とても風通しの良い社風であると思う」
(MR 20代後半 男性 年収650万円)
9位:ジョンソン・エンド・ジョンソン(3.26点)
「所属事業部によって多少異なるが、営業職の場合、年齢・職務経験に関係なく『完全成果報酬型』の給与体系であるため、頑張れば頑張るほど収入を得ることが出来るところは大きなやりがいと言えると思う。また、かなり高度な専門知識を求められることから、それらを習得することが出来ればかなり自信を持って営業することができ、仕事の面白味につながると思われる」
(代理店営業 20代後半 男性 年収650万円)
10位:アストラゼネカ(3.25点)
「(福利厚生について)非常に良いです。家賃補助も高く、他社のMRと比較しても良い物件に住むことができます。また、有給等に関しても非常に取得しやすく、良い会社だと思っております。社内環境に関しては、非常に発言しやすい雰囲気があると思います。立場が低くても意見が通る会社なので若手には非常に良いです」
(MR 20代後半 男性 年収650万円)
調査は、『業界地図2018年版』(日本経済新聞出版社)の「医薬品」に記載の企業のうち、2016年4月1日~2018年3月31日に「キャリコネ」に20件以上の評価が寄せられた企業を対象に行った。