灼熱の甲子園、選手が体調不良でダウン 球児たちの「助け合い」を美談で終わらせてしまっていいのか | キャリコネニュース - Page 2
おかげさまで10周年 メルマガ読者数
65万人以上!

灼熱の甲子園、選手が体調不良でダウン 球児たちの「助け合い」を美談で終わらせてしまっていいのか

開催時期はこのままでいいのだろうか

開催時期はこのままでいいのだろうか

ただ、その姿を見た沖学園の3塁コーチャー、上園凱斗選手がコールドスプレーを持って岡崎選手のもとに駆け寄り、足を冷やした。さらに、沖学園主将の阿部剛大選手の指示で高原敦彦選手が左翼に走り、水を届けた。

岡崎選手は担架で運ばれ試合は一時中断となったが、彼らの”ファインプレー”のおかげもあってか、岡崎選手はベンチ裏で治療を受けた後、すぐに守備に戻ることができた。

各マスコミは沖学園の選手達の対応を讃えており、サンケイスポーツは「北照選手が足つり、沖学園選手が”友情プレー”」、スポニチでは「友情のアシストプレー 倒れた北照・岡崎に沖学園の選手がコールドスプレー&飲料差し出す」というタイトルの記事を掲載している。

ただ、ツイッター上ではこれらの記事に対して、「問題を美談にすり替えるマスコミ」「友情なんて美談で済ませられる話ではない」と、なんでもいい話に持っていこうとするメディアの”方向性”への不満が相次いだ。

他にも「そんな環境で高校生にプレーさせてることが問題。救護に駆けつけるべき大会運営スタッフも何してる」といった、運営側の問題点を指摘する意見も多く寄せられた。

真夏の炎天下で13時半に試合開始という狂気

ファールボールを追って捕手が脱ぎ捨てたマスクを、相手チームの選手がユニフォームで拭いて渡してあげたり、打球が直撃した投手にランナーコーチャーが駆け寄り、コールドスプレーで冷やしてあげたりなど、勝敗を超えた選手達の”人間力”を見ることができるのも高校野球の魅力の一つだ。

沖学園の選手達の対応が素晴らしいことは事実であり、野球の上手さだけでなく、人間力も同時に鍛えてきたチームなのだろうと感じられる。ただ、今回の”友情プレー”は未然に防ぐことのできたケースなのではないだろうか?

手足の痙攣は熱中症の初期症状と言われており、岡崎選手が熱中症を発症していたかどうかは不明だが、その可能性は十分考えられる。この試合の開始時間は13時半頃。1日のうちかなり暑い時間帯だ。もし、開始時間が17時だったら、このような事態に発展しなかったように思える。

医師の6割が「熱中症対策等の条件付きで開催すべき」と回答

メドピアは8月7日、医師に「全国高校野球選手権大会は例年どおり開催すべきか?」というアンケートを実施。6割が「熱中症対策等の条件付きで開催すべき」と回答していた。

開幕して2日目でこのようなアクシデントが起きてしまうとなると、今後も体調不良に襲われ、十分な力を発揮できない選手や、プレーを続行できない選手が出てくる可能性は決してゼロではない。

高校野球の異常性に気付き、高校球児が安全にプレーできる環境を真剣に議論する必要がある。100回目を迎えた節目の大会が、大きな問題が起きずに閉幕することをただただ祈るばかりだ。

【PR】注目情報

関連記事

次世代バナー
次世代バナー

アーカイブ