プラス1000円でVIP気分を味わえる「SP風タクシー」が話題 乗り降り時は運転手が乗客を警護する演出付き
通常のタクシーは、運転手は車を降りずに乗客側のドアを開けるが、SP風タクシーでは要人である乗客を警護するため、乗り降りの際は必ず運転手が付き添う。水鉄砲を構えて周囲を警戒したり、アタッシュケースで乗客を襲撃から守る仕草をしたりする演出もある。運転手は「守秘義務を守る」設定のため、乗客との会話は行き先などの必要最低限になっているそうだ。
同社広報担当者によると、SP風タクシーが生まれた背景には、今年2月にサービスを開始した「黒子のタクシー」があるという。運転手が、歌舞伎で舞台のサポートをする「黒子」に扮し「究極の自動運転」というコンセプトで始めたところ、国内外のメディアで多く取り上げられた。特に海外メディアの注目は高く、外国人観光客からも人気が出たそうだ。
反響を受け、6月上旬から「忍者タクシー」と「SP風タクシー」を開始したが、「SP風タクシー」は黒子タクシーや忍者タクシーと比べ「海外向けのPRがまだ上手くいっていない」こともあり、利用はまだ10件に満たないという。
「イベント絡みのご要望が多いですね。『彼女を家まで送って欲しい』とか、結婚式の二次会の帰りに、サプライズで花嫁を自宅まで送って欲しいという要望もありました」
現在、8か所の営業所それぞれに2人ほどの「SP風ドライバー」がいるという。クオリティを上げるため、警察での勤務経験があるドライバーにアドバイスを貰ったり、ドラマ「SP」を見て勉強したりして研鑽を積んでいる。
対応エリアは東京23区、多摩、横浜、埼玉の同社営業エリアで、利用時には専用フォームから事前予約が必要だ。料金は、通常の運賃に指定料金として1000円追加される。担当者は、
「現在、空港への行き来のタクシー利用は定額制が主流です。社内では、こうした空港定額タクシーのオプションとして楽しんでもらえたらと思っています」
と話していた。