ZOZO前澤友作社長のお金はどこから出てくるの? 国内14位の資産家でも「年収35億だとぜんぜん足りない」 | キャリコネニュース
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ZOZO前澤友作社長のお金はどこから出てくるの? 国内14位の資産家でも「年収35億だとぜんぜん足りない」

ファッションECサイト「ZOZOTOWN」を運営するZOZOの前澤友作社長。10月1日にスタートトゥデイから社名変更し、人気女優との交際や月旅行を表明するなど世間の注目を集め話題にこと欠かないが、あんなにたくさんお金を持っているのはなぜなのか。実は意外と知られていないZOZOの業績やビジネスモデルについてチェックし、莫大な資産の背景を見ていこう。

超高級車を保有し、大陸横断ができるビジネスジェットを購入するなど、前澤友作社長の並外れたお金の使い方は、ネットニュースやワイドショーのネタとなっている。千葉県内に豪邸を建設中で、プロ野球球団を持ちたいという意向も表明している。

これまでにない発想とブランド力アップで業績は右肩上がり

近年の業績

近年の業績

アメリカの有名画家バスキアの絵を123億円で落札したことで、世界的な知名度も一気に高まった。フォーブス誌によると、2017年3月時点の総資産は3330億円で、日本国内のランキング14位。現在はさらに資産を増やしている可能性がある。

年収はおよそ35億円と言われながら、取材記事に「むしろ35億円だとぜんぜん足りないくらい」と答えている前澤社長。ここで疑問となるのが、どこからこのようなお金を捻出しているのかという点だ。

ZOZOの近年の業績を見ると、右肩上がりで絶好調。2017年度の売上高は984億円、営業利益率は32~36%と高い水準を維持したまま、直近の5期間で2.5倍以上の伸びを示している。

特にここ数年は、これまで参加していなかったセレクトショップもZOZOTOWNに参加しはじめており、出店するショップ数が伸びたことが影響している。

さらに拡大を予定しているのが、自社ブランド「ZOZO」を構成するプライベートブランド(PB)事業だ。2017年11月には、自社開発の体型計測デバイス「ZOZOSUIT」を発表。ネット通販でありながら完全オーダーメードの服を提供するという、これまでにないアイデアを発表した。

2018年8月からは、ビジネススーツとドレスシャツの取り扱いもスタートした。これらPB事業は今後の成長の目玉で、2021年3月期には2000億円の売上高を目指している。

儲けのしくみは典型的なネットビジネス、手数料は30%近く

通常のファッション小売の場合、代表的な仕入方式は「買い取り」か「委託」となる。しかしZOZOでは、ほぼすべてが「委託」で、買い取りブランドは約1100店中6店。売れ残りリスクがまったくといっていいほどない。

ZOZOは、商品が販売された際に売上の一部を「受託手数料」としてショップから受け取る。この率は公表されていないが、2018年3月期の受託ショップの取扱高と売上高から計算すると、手数料率は28.8%となる。預かり在庫の倉庫はあるものの、リアル店舗を持たず3割近い手数料がそのまま売上になるビジネスモデルは、典型的なネットビジネスだ。今後自社ブランドを増やしていけば、利益率はさらに高くなることが期待できる。

ZOZOの有価証券報告書によると、取締役8人の報酬合計は2億9400万円で、「連結報酬等の総額が1億円以上であるものはいない」という記載がある。したがって前澤社長の役員報酬も1億円未満ということだ。

それでは、どこから収入を得ているのか。ひとつは、自社株の売却益だ。2018年7月20日時点で、前澤氏はZOZO株の41.16%を保有する筆頭株主だ。2007年11月の東証マザーズ上場当時は80.33%を保有していたが、現在はその半分まで減らしている。

その金額は、上場時に11億670万円相当、あわせてオーバーアロットメント分の3億9525万円相当を売却している。その後も合計678億円分の株式を売却して資金化しており、これが超高級車やビジネスジェット機、高額アートの購入に使われていると見られる。

なお、会社の時価総額は、上場時の319億円から、2018年7月20日現在で1兆4663億円と46倍まで伸ばしている。

もうひとつ、ZOZO自体の配当も大きい。自社株は売ってしまえばそれで終わりだが、配当は株式を所有している限り受けることができる。ZOZOの配当利回りは2018年7月20日時点で0.77%と、上場企業の中では大きい方ではないものの、2018年3月期は1株29円なので、年に40億4605万円の配当を受け取っている計算になる。ちなみに同社は、11年連続の増配を記録している。

ただし配当については総合課税されるケースが多いため、最高税率の55%を適用される可能性があり、半分以上は税金として収められていると見られる。

全社員のボーナスが均等で基本給が一律

スタートトゥデイの従業員の平均年間給与

スタートトゥデイの従業員の平均年間給与

最後に蛇足だが、ZOZOの従業員の平均年間給与について見ていこう。2013年度の平均年収は505万円、2016年度には592万円まで上がったが、2017年には524万円に下がっている。従業員一人あたりの売上高は110億円に達し、同営業利益は33億円となった。

2017年度の平均年収が下がっているが、従業員数は2013年度の579人から、2017年度は904人に増えている。あまり外注を使わず内製化しているので、給与の低い仕事をする社員の雇用も増えたということであり、既存社員の給与が減ったという意味ではなさそうだ。

なおZOZOは、全社員のボーナスが均等で、基本給が一律という珍しい制度が採られている。役職に応じて手当がついていくが、その他の社内での競争を無くし、みんなで一つの目標に向かって仕事をするという趣旨で結束を固めている。

(この記事はTENSHOCKに掲載されたものを再構成したものです)

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