性暴力報道の広河隆一氏に関する情報をサイト非表示にしたヒューマンライツ・ナウ、経緯を説明「被害者の二次被害を防ぐため」
フォトジャーナリスト広河隆一氏の性暴力疑惑を、12月26日発売の週刊文春が報じた。広河氏は同日、ホームページ上で声明を発表し、「取材に応じられた方々の気持ちに気がつくことができず、傷つけたという認識に欠けていました」と謝罪。報道内容をほぼ認めた形だ。報道写真の月刊誌『DAYS JAPAN』を発行するデイズジャパンの代表取締役を解任されたことも明かしている。
一連の騒動を受け、国際人権NGO団体のヒューマンライツ・ナウは27日、声明を発表した。同団体は過去、広河氏を迎えた講演会の開催を行ったことがある。「知らなかったとはいえ大変残念に感じております」と書いている。
「被害者から事前に相談を受けていた」とも記載
ただ、団体の声明には批判も出ている。団体サイトでは、少なくとも今月22日にはあった、広河氏が出席したイベントの告知ページが、文春の報道の前後で消えていた。ネットでは一部のユーザーから、「都合が悪いから削除したのか」などと疑念が広がっていた。
声明ではこうした疑惑について、
「ヒューマンライツ・ナウ関係者は被害者の一部の方から事前に、告発に関わる相談を受けていました。性被害の告発は、報道直後に二次被害が発生することが多々あり、告発をされた当事者に社会的名声がある場合、その業績を強調して匿名で名乗り出た被害者の信ぴょう性を疑問視したり、被害者を傷つけることがあります。そうした材料を提供するのは適切ではないと判断し、同氏に関する記載を非表示にする扱いを取りました」
とコメントしている。被害者の二次被害を防止するため、加害者側の情報を非表示にした、という説明だ。
しかしネット上では、広河氏の性暴力を「知らなかった」という文言と、「被害者の一部から相談を受けていた」という記述が矛盾している、という声も出ている。