形骸化する働き方改革 「残業削減ばかりで業務の無駄を見直していない」経済評論家が苦言 | キャリコネニュース - Page 2
おかげさまで9周年 メルマガ読者数
65万人以上!

形骸化する働き方改革 「残業削減ばかりで業務の無駄を見直していない」経済評論家が苦言

無駄を見直さずに残業を減らしても仕事が余るだけだ。余った仕事をさばくために、下請け企業や協力企業に仕事を押し付けたり、仕事を持ち帰ってサービス残業をしたりといったしわ寄せが生まれているという。

「社員がこなせないので、外注先に仕事を丸投げする。結果的にコストが増えますから、賃上げの原資を捻出できない」

アウトソーシングに頼らざるを得なくなるとコストがかさむ。さらに、残業代で稼げず給与が減る社員が増えれば、消費の冷え込みにもつながると警鐘を鳴らす。

司会の堀潤さんは企業の現状から、無駄な業務の選別をする時間さえないのではと質問するが、加谷さんは「それをやるのが経営者の腕の見せ所。経営の問題なんです」と断言。働き方改革は、経営者の手腕が大いに試されているようだ。

「儲かる仕組みをデザインするのが経営者の仕事」

時間外労働の上限規制は、大企業では今年4月、中小企業は2020年の4月から適用される。日本商工会議所が今月発表した調査結果によると、中小企業の4割が「時間外労働の上限規制」を知らないという。まだ1年以上あるからとは言え、認知率が6割程度というのは流石に低いように思える。

「身も蓋もないんですけど、儲かる仕事をしないとそもそも無理なんです。原資がないと何も出来ませんから。それをデザインするのが経営者の仕事であり、だからこそ高い報酬があるわけですから、これは経営者の能力にかかっている」

働き方の大転換点を乗り切るためには、経営者の能力が会社の行方を大きく左右するだろうと、加谷さんは繰り返し主張した。

ツイッターでは「仕事の量が減らないのに残業だけカットしたって回らないですよね」「働き方改革は経営者が率先して働く仕組みを変えるよう旗を振らないと何も変わらない」など、加谷さんの主張に賛同する人や、経営者の意識改革を求める声が寄せられていた。

【PR】注目情報

関連記事

次世代バナー
次世代バナー

人気記事ランキング

  1. 子猫が海に投げ捨てられた!? 砂浜でビニール袋に入った3匹を拾い、保護した釣り人YouTuberに話を聞いた
  2. 「俺は誇りが欲しいんだ」正社員になれない就職氷河期世代の投稿が話題に 「甘え」や「自己責任」で片づけられるか
  3. 都区部のタクシー「初乗り370円」実現か? ネットには「それよりUber-X早よ」の声も
  4. 石井竜也が「あたし、おかあさんだから」を酷評 「プロの作る歌詞じゃない」
  5. コロナ感染したバド桃田選手への「自覚が足りない」という批判に元アスリートが感じたこと
  6. 日大、学生に「大学のイメージ下げる行動は慎んで」と通達 現役学生は「イメージ下げているのは大学。むしろ学生に謝罪して」と憤慨
  7. ヤマザキ「春のパンまつり」で点数シールの盗難が問題に 小売店は困惑「商品の袋が破けていることもある」
  8. 首都大、2020年4月から「都立大」の名称復活 「教育研究成果を都政へ還元」「東京都が設置したことを明確化」
  9. 「介護は人間がやるべき」と思っている人が半数以上 「ロボットから愛を感じることができますか?」という声も
  10. 学校で何年生からセックスや避妊について教えるべき? 高校生の性交経験率は約3割、「きちんとした情報を知らないとリスク高い」

アーカイブ