ストレス度の低い業界ランキング 1位「電気・ガス業界」、2位「電気機器」という結果に
企業口コミ・給与明細サイト「キャリコネ」は2月7日、「ストレス度の低い業界ランキング」を発表した。
1日のおよそ3分の1もの時間を過ごす職場。適度なストレスはパフォーマンスの向上に役立つという説もありますが、ストレス度が低いほうが長く働き続けやすいと言えるだろう。では、ストレス度が低いのはどの業界なのだろうか。「キャリコネ」ユーザーの評価(5点満点)をもとに、「ストレス度の低さ」が高評価だった順にランキング化した。
ワースト1は証券、下位には建設、不動産、金融、運輸が並ぶ
営業系職種では「ノルマ」「歩合給」などのイメージもある金融や不動産、最近では改善傾向にあるものの拘束時間が長く、時間に追われる印象が強い運送関連などが下位に並んだ。これら業界の評価は、5点満点中2.5点以下だった。
1位の電気・ガスは、誰もが日常生活において使用するもの。電力と都市ガスの小売自由化の影響はあるものの、福利厚生が充実し、労働時間削減に注力している大手企業が多いことも、結果に反映されていると考えられる。
2位の電気機器も、総合電機メーカーをはじめとして歴史の長い大手企業が多く存在する。なかでも、最もストレス度の低さ評価が高い(※1)のは「ブラザー工業」。住宅の補助や各種休暇制度など福利厚生面の充実とともに、「社風は優しくて緩やか」など、居心地の良さを評価する口コミが複数あった。
3位・鉱業の全体の評価は2.85点ですが、最も評価の高かった「国際石油開発帝石」は、4.1点とかなりの高水準(※1)。同社は日本で唯一黄金株(※2)の発行が許されている上場企業で、その株を経済産業省が所有している極めて安定している企業。「ノルマに追われない」「妥当な報酬」といった口コミも。
それでは、トップ10入りした業界に属する企業の口コミをご紹介しよう。
※1 企業の順位、評価点は2019年2月時点のもの
※2 敵対的買収を阻止するために、重大な議案を拒否する権利を持つ株式
1位電気・ガス業界、「淡々と仲良く楽しくやっている」(東京ガス)
1位:電気・ガス業界(ストレス度の低さ評価:2.88)
「離職率が非常に少ない企業であり、基本的には新卒入社のプロパー社員が多い。理系の会社なので、技術を持っている人材は中途採用の転職組も。『良い人』が多い会社なので、プロパー、転職組、派遣スタッフなど、分け隔てなく、淡々と仲良く楽しくやっている。出世や待遇の差を感じることは全くない」
(東京ガス/経理/20代後半女性/年収500万円/2012年度)
2位:電気機器業界(ストレス度の低さ評価:2.87)
「社風は非常に優しくて緩やか。失敗を是とし、失敗したからといって責められる風潮ではない。部署にもよるが私の部署は一部の人で集まってお酒を飲みに行ったりBBQを行ったりするなど、イベントも多い。上司を役職で呼ぶことは基本的になく、社長でも”さん付け”で呼ぶ。社長も社員食堂によく食べに来るくらい、壁は少ない」
(ブラザー工業/海外営業/30代前半男性/年収650万円/2013年度)
3位:鉱業界(ストレス度の低さ評価:2.85)
「制度だけ立派に整っている名ばかり『女性に優しい企業』とは異なり、実際制度を活用している女性社員が非常に多くいる印象を抱いている。(私の)配偶者にもこのような会社で働いてもらえたらいかに良かっただろうか、と思う」
(国際石油開発帝石/財務・会計関連職/30代前半男性/年収950万円/2013年度)
4位:医薬品業界(ストレス度の低さ評価:2.83)
「もちろん部署やチームによって違うが、職場は静かで落ち着いた雰囲気だった。社員同士は仲が良く、プライベートでも交流することがある。もちろん強制などではなく、好きな人同士が集まっているだけである」
(協和発酵キリン/プロジェクトマネージャー/20代後半男性/年収400万円/2012年度)
5位:非鉄金属業界(ストレス度の低さ評価:2.80)
「待遇も良く、社内環境は風通しが良く社員同士が触れ合う機会が多い。意見が上司にすぐ届くため、積極的に意見交換を行える。かなり福利厚生に関して充実している企業だと考えられる」
(住友電気工業/研究開発/20代前半男性/年収300万円/2017年度)
ガラス・土石製品業界、「とにかく良い人が多く真面目な人が多い」(TOTO)
6位:輸送用機器業界(ストレス度の低さ評価:2.77)
「社員寮、社宅があり格安の家賃で過ごすことができる。寮は大浴場、食堂もあり家に帰って寝て過ごすだけなら十分。年何回か職場単位で飲み会や慰安会などのレクあり。祭りや運動会、駅伝大会など会社全体でのイベントもあり、親交を深める機会は数多くある。シャインズという福利厚生施設には社員と家族しか利用できないレストランやジムがある」
(豊田自動織機/研究開発/30代前半男性/年収700万円/2016年度)
6位:化学業界(ストレス度の低さ評価:2.77)
「育児や介護の休みはある程度調整して休むことができる。上司も休むことに対しては何も言わず、気にかけてくれていると思う。育児休暇も取得推奨の雰囲気を感じている」
(旭化成/財務・会計関連職/30代前半男性/年収770万円/2018年度)
8位:リース・消費者金融・クレカ・信販業界(ストレス度の低さ評価:2.73)
「政府系機関であり、政府が推していることもあるため、出産や育児、介護等のライフイベント発生時の社員への対応が手厚い。具体的な内容として、社外の人と結婚する場合は、その人の勤め先が遠隔地である場合、その付近の支店への配属を要望すれば、ほぼ100%要望が通る」
(日本政策金融公庫/ルートセールス/30代前半男性/年収593万円/2017年度)
9位:ガラス・土石製品業界(ストレス度の低さ評価:2.71)
「とにかく良い人が多く真面目な人が多い。若手は目立たないながらもコツコツと真面目に取り組む人が多いと思う。おじさん世代はいろいろだが、それでも心優しい人が多い。仕事は協力しあって困ったときには助けてくれる人が多い」
(TOTO/代理店営業/30代前半女性/年収500万円/2017年度)
10位:情報・通信業界(ストレス度の低さ評価:2.70)
「社内に無料のカフェテリアがあり、かつ軽食専用の部屋があるなど、業務をする上でストレスを軽減する施策が数多く存在する。また、月に2名までオフィスに招待することができるためしばしば活用している。総じて、環境に対する配慮が常にされているため非常に働きやすいといえる」
(グーグル/代理店営業/20代前半男性/年収800万円/2016年度)
調査内容は、対象期間中に「キャリコネ」にユーザーからの評価が寄せられた企業を抽出し、業界別に「ストレス度の低さ」評価の平均値を算出(5点満点)。対象期間は、2016年4月1日~2018年3月31日。
※本記事では、キャリコネの「その他金融」業界を「リース・消費者金融・クレカ・信販」、「その他製品」業界を「一般消費財・印刷」と表記した。