正社員不足が深刻な業界1位「放送」、2位「情報サービス」 「飲食店」は急激に状況悪化
「正社員が不足」と答えた企業を規模別に見ると、「大企業」(62.4%)、「中小企業」(50.6%)、「小規模企業」(45.6%)。規模が大きくなるにつれて、人手不足の度合いも高まる。いずれも前年同月比で上昇した。
「非正社員が不足している」と答えた企業の割合は、34.4%。2017年10月以降は30%台で推移している。業種別では、「飲食店」(84.1%)が最も多く、「飲食料品小売」(67.7%)、「メンテナンス・警備・検査」(61.7%)、「各種商品小売」(57.5%)、「娯楽サービス」(57.4%)が続く。上位10業種中、8業種で50%を超えている。また、10業種中5業種は接客業が占めた。
人材不足を感じている企業からは、
「人手不足が深刻化して、売り上げが減少している」(一般貨物自動車運送、広島県)
「人手不足で積極的営業(生産)活動ができない」(その他の食料・飲食料卸売、兵庫県)
といったコメントが寄せられている。
人手不足感が強い企業ほど、賃上げを検討
人材確保のために、賃上げを検討する企業もある。実際に、「人手不足で賃金を上げなければ他業種に追いつけない」(一般電気工事、大分県)という意見も出ている。
今回の調査では人材の不足度合い別に、賃金改善見込みの分析結果も掲載している。正社員が「不足」と答えた企業では、61.6%が「賃金改善の予定がある」と回答。全体平均の55.5%を上回っている。
一方で、人手は「適正」と答えた企業で「賃金改善の予定がある」は52.0%だった。人手不足を感じる企業ほど、賃金改善に前向きだった。
企業からも、「人手不足であるので、賃金改正し求人力を高める」(職別工事、茨城県、非常に不足)、「能力評価で賃金及び賞与について引き上げていく。必要な人材について他社への流失を防いでいかなければならない」(冷凍調理食品製造、福島県、やや不足)といった考えが寄せられている。