飲食店や娯楽施設が打撃を受け休業している中で、業務が多忙になった業界もある。ITエンジニアの30代男性もその一人だ。男性は個人宅を訪問してインフラ工事をしている。

「テレワークやオンライン授業が叫ばれる世の中でインターネットの加入の申し込みが止まらず、日々お客様の家に訪問。いろんな家に行くので、どこで感染するか、もしくは感染拡大を招いているかわからない状況です」

最近になって、元請け会社からマスク着用と1日2回の検温、作業開始前後に手指の消毒を義務付けられ、そしてそれを訪問先で実施済みだと伝えなければならなくなった。

「マスクもなかなか手に入らず、消毒液なんてどこにもない。検温の電池も在庫がない状況。なのに実施済みと伝えてお客様に感染させたら事件になりかねないのでは、と思います。我々は犯罪者になれと言われているようなものです」

男性は「元請け企業はブラック企業なんてものじゃない。犯罪組織かテロ組織です」と会社を強く批判している。

「従業員を馬鹿にするのも本当にいい加減にしろ！」

教育・保険業界で働く40代男性は、「在宅勤務を許されず、毎日出勤となりました」と語る。

「毎日働いている限り、職場の全員と濃厚接触者になります。自宅待機にするようお願いをしたのですが聞き入れられず……」

従業員の健康より会社の利益の方が大事なように感じられる。しかしこの会社のスローガンは「社員を大事にする会社」だという。男性は「従業員を馬鹿にするのも本当にいい加減にしろ！」と憤る。

従業員の健康を蔑ろにして利益を上げようとする姿勢はいかがなものか。在宅勤務できる職種なら、すぐにでも環境を整えて出勤を控えるべきだろう。

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