メーカー系企業で事務・管理職の静岡県20代女性は、「この会社のために命はかけられない」と感じ退職を決意した。会社は、コロナ感染者が出るまで対策をしない方針だという。その地域では感染者も増え始めている。
「緊急事態宣言が出たのに、それでもまだ公共交通機関で通勤している社員に何の措置もありません。私は喘息持ちなので、出社が必要な時以外はテレワークをしたいのが本音です。でもその話を出すと『仕事をさぼりたい人』というような言い方をされてしまいます」
会社が現時点で取っている対策といえば、休憩時間をずらし、マスク着用の周知をさせるのみ。それでいて会社からのマスクの配布はない。
「『職場で感染者が出たら交替勤務を』と言っていますが、つまり犠牲者が出たら対応するということです。本来なら感染リスクが高い人は自宅待機にさせるべき。柔軟な対応をしてほしいのに、『他部署から文句が出るから』など理由をつけて実施しません」
女性は「何も対策を講じようとしない姿勢にうんざりです」といい、「今どき社員の健康を大切にしない企業にしがみつくつもりもありません」と綴る。
「4月に社員旅行を企画していた。社長も3月末まで行く気満々だった」
メーカー系勤めの滋賀県20代男性は、会社の“意識の低さ”が退職の決め手となった。かつては中国に支社を抱えていたためか、常務が中国製のマスクを大量に入手した。社内では全社員に計1万枚ほどのマスクが配られたという。しかし男性は、
「一見いい話だが、この医療崩壊の危機にそこまでして出社を強制するのか、と感じた。リスクを回避したいなら、事務員だけでもリモートに移行させるとか、毎日150人ほど集める朝礼をやめるとかした方がよっぽどいいのに」
と会社の対応に疑問を抱く。ちなみに朝礼の内容は、社内ネットでも確認できる来客情報、社長のスピーチ、挨拶運動だという。さらに、
「結果的に中止になったが、4月に社員旅行を企画していた。社長も3月末まで行く気満々だった。完全なワンマン経営のため、他の全社員が反対しても社長が行くと言えば行く会社なのだと思い知った」
と、以前から、こうした社風に疑問を感じていたという。しかしコロナの状況と直面し、「社長の考えの浅はかさと、思考停止状態にある社員に愛想が尽きた」と述べている。
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