社会調査研究センターは9月24日、全国世論調査の結果を発表した。調査は安倍首相(当時)の辞任表明後の8日と、菅内閣発足直後の17日にショートメールおよび電話で実施し、18歳以上の男女計2056人から回答を得た。
17日時点の菅内閣の支持率は64%と高い数値を検出した。同時期に実施された報道各社の調査結果も、いずれも60~70%台で同様の傾向があった。
菅首相に期待するのは「変化」 60代の7割が回答
年齢別支持率をみると、安倍内閣の支持率がトータル支持率の絶対値に関わらず、右肩下がりの”若高―老低”型を特徴としていた。一方、菅内閣は70代以上でやや低いものの、18~29歳から60代までのすべての年代で6割を上回り、幅広い支持を確保していた。
8月22日時点の安倍内閣が30%台にあったのと比較すると、支持率上昇の度合いは60代の40ポイントを筆頭に、50~60代の中年層で特に顕著だった。
安倍首相(当時)の辞任表明後にあたる9月8日調査の「次の首相に期待するのは、安倍政権からの継続性か、それとも政策や政治姿勢の変化か」という質問では、過半数が「変化を期待する」(55%)と回答し、「継続性を期待する」(33%)を上回った。年齢別でも「変化を期待する」は、60代の68%を最高に中高年層で高い値だった。
新政権発足直後の17日調査で「安倍政権からの変化を望む政策」を選んでもらったところ、1位は「経済政策」(24%)だった。以降は「新型コロナウイルス対策」(21%)、「首相の政治姿勢」(19%)、「社会保障政策」(17%)、「特にない」(10%)の順で続いた。
回答を年齢別にみると、上位3つのうち「コロナ対策」「政治姿勢」が中高年で比較的高い割合だったのに対し、1位の「経済政策」は18~29歳から40代までの若い年代で高い比率を占めた。安倍政権のコア支持層だった働き盛りの若年世代がアベノミクスからの転換を求めていると言えるだろう。