上場企業の財務諸表から待遇を探る「これだけもらえる優良企業」シリーズ。今回は、大手ハウスメーカーのタマホーム(東証一部)を取り上げます。
タマホーム社員の平均年収は655万円
最新データ(2020年5月期)によると、タマホーム社員の平均年間給与は655.1万円。ここ数期は右肩上がりで、4期前と比べて60万円近く増えています。
- 2016年5月期:595.4万円
- 2017年5月期:636.1万円
- 2018年5月期:638.1万円
- 2019年5月期:644.0万円
- 2020年5月期:655.1万円
この額には、賞与や基準外賃金(手当など)も含まれています。
企業口コミサイト「キャリコネ」へ投稿された給与明細によると、29歳営業マンの年収は1,102万円。時間外手当が月8万円、役職手当が月6万円。年2回の定期賞与計110万円のほか、インセンティブ賞与が620万円支給されています。
この男性は、労働時間について「やった分だけお金になり、それに伴い残業も増えるが全体的には全く問題ない」と答えています。優秀店舗や優秀社員はハワイ旅行などに行けたそうですが、コロナ下の今は「休日やお金を支給」の形に変わっています。
タマホームは2013年に東証一部上場。2015年5月期から2期連続で最終赤字を出したものの、その後は業績を回復し、2020年5月期は売上高が前期比12.0%増の2092億円、営業利益は同34.0%の98.7億円でした。
2021年5月期は、上期の住宅受注棟数、営業利益ともに上場来過去最高。通期の売上高は前期比0.4%増、営業利益は前期計上の不動産売却収入の反動もあり同8.8%減となる見込みです。
タマホーム社員の平均年齢は38.9歳
次に、従業員数と平均年齢、平均勤続年数(ともに単体)を見てみましょう。
タマホーム社員の平均年齢は38.9歳。年功序列の組織であれば、40歳までに600万円台半ばを超える人が多いということになりますが、職種によって大きく異なると見られます。
- 2016年5月期:2,730人(38.8歳・5.9年)
- 2017年5月期:2,948人(38.4歳・5.9年)
- 2018年5月期:3,172人(38.6歳・6.0年)
- 2019年5月期:3,348人(38.8歳・6.2年)
- 2020年5月期:3,443人(38.9歳・6.5年)
ここ数期、従業員数は増加傾向にあり、平均年齢は横ばいながら、平均勤続年数は伸びています。若い社員が加わりながら、定着率も上がっているものと見られます。
この数字はタマホーム本体(単体)のものですが、グループ全体(連結)でも2020年5月期は3,610人なので、ほとんど差がありません。
タマホームの報告セグメントは4つ。戸建住宅や集合住宅の建築請負、リフォームを行う「住宅事業」、戸建分譲・マンションの開発・分譲、賃貸ビルのサブリース、オフィス区分所有権の販売等を行う「不動産事業」、保険代理業と住宅購入者向けつなぎ融資を行う「金融事業」、メガソーラー発電施設の運営を行う「エネルギー事業」です。
売上高の4事業の構成比は、売上高の83.4%を住宅事業が占めています。セグメント利益は不動産事業が51.0%、住宅事業が40.7%で、合わせて9割超。ただし金融事業もエネルギー事業も黒字となっています。
幅広い職種で全国に求人あり
タマホームは「業界標準価格よりローコストで、しかも高品質な注文住宅を提供すること」を目指しており、20代で家を建てた人が登場するCMを打っています。
タマホームのキャリア採用サイトには、「営業」「工務」「設計」「ホームファイン(メンテナンス等のサポート)」「設計(パート)」の職種で、全国の支店・営業所の求人が豊富に掲載されています。
転職サイトには事務職(住宅ローン関連)の求人広告があり、年収レンジは260~650万円。金融の実務経験がなくてもスキルアップをしたい人を募集しています。
「キャリコネ」の口コミには「昔はかなりサービス残業等あったみたいだが、今は会社自体が残業を減らすよう、うるさく指導してくる」という書き込みがあります。キャリアチェンジと収入アップを望む人には、魅力的な職場となるかもしれません。
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