あの会社の社員の平均年収はいくら？

上場企業の財務諸表から待遇を探る「これだけもらえる優良企業」シリーズ。今回は、全社員に「英語禁止令」を出したことで話題になったロゼッタを取り上げます。

ロゼッタ社員の平均年収は679万円

最新データ（2020年2月期）によると、ロゼッタ社員の平均年間給与は679.0万円。ここ数期は右肩上がりに伸びており、4期前から135万円あまり増えています。

• 2016年2月期：543.7万円
• 2017年2月期：556.2万円
• 2018年2月期：595.5万円
• 2019年2月期：646.0万円
• 2020年2月期：679.0万円

ロゼッタの採用サイトには、幅広い職種の求人が掲載されています。アプリエンジニアの想定年収は2,000万円～10,000万円（標準業績、賞与2回含む）。年収1億円の社員となる可能性もあるということです。

ロゼッタの業績はここのところ急激に伸びており、2016年2月期に16.7億円だった売上高は2020年2月期には39.1億円に。投資フェイズのベンチャーですが、営業利益も2.2億円から4.5億円に伸びています。

2021年2月期の通期予想は、売上高が前期比同水準の39.1億円、営業利益が同0.4％増の4.5億円を見込んでいますが、「先行投資を集中投下するので、増加費用の分だけは利益が減額になる可能性」もあるとしています。

ロゼッタ社員の平均年齢は38歳

次に、従業員数と平均年齢、平均勤続年数（ともに単体）を見てみましょう。

ロゼッタ社員の平均年齢は38.0歳。ざっくり言うと、30代後半で700万円近くもらう人が多いということでしょうか。ただし前述のように高額の報酬をもらう社員もおり、一概にはいえないかもしれません。

• 2016年2月期：36人（36.5歳・4.4年）
• 2017年2月期：38人（39.4歳・3.7年）
• 2018年2月期：55人（36.1歳・2.4年）
• 2019年2月期：75人（38.2歳・2.6年）
• 2020年2月期：123人（38.0歳・1.6年）

ロゼッタ（単体）の従業員数はここ数期で急激に増えており、グループ全体（連結）でも2016年2月期の70人から2020年2月期の219人へと急拡大しています。

ロゼッタの報告セグメントは、AIによる機械翻訳サービスの「MT事業」、人間による翻訳業務受託サービスの「HT事業」、多言語翻訳、現地調査などの「クラウドソーシング」、2021年2月期第3四半期から加わったグローバル・ユビキタスを目指す「GU事業」の4つ。

2021年2月期第3四半期のセグメント売上高構成比は、MT事業が69.8％、MT事業が22.1％、クラウドソーシング事業が8.0％。セグメント利益でもMT事業とMT事業が利益の大半を創出。新規事業のGU事業は売上なしで、2812万円の赤字でした。

中核サービスはAI自動翻訳

ロゼッタは3月1日、全社員に「英語禁止令」を出したことで話題になりました。勤務中に日本人社員が英語を話すこと、外国人社員が日本語を話すことを禁止し、会話するときにはパソコン・スマホ・VR 内の「言語フリー」スペースで行うのだそうです。

ロゼッタのサービスの中核は、プロ翻訳者レベルのAI「自動翻訳T-4OO」。医薬・化学・機械・IT・法務・金融などの2000の専門分野を、最大95％（プロ翻訳者に匹敵する正確さ）で自動翻訳します。

「T-400」は“Translation for Onsha Only”の略。すでに大手企業をはじめとして4,500以上の導入実績があり、ユーザーからのフィードバックを糧に日々開発・進化を続けているそうです。

ロゼッタの採用サイトには「開発職」「開発職」「企画職」「システムエンジニア」など幅広い職種の求人があります。

“我々はついに言語的ハンディの呪縛から解放されました。「言語フリー」の世界が実現しました”（英語禁止令より）と高らかに宣言するロゼッタの事業に興味のある人は、求人をチェックしてみてもいいかもしれません。

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