普段はゲームをほとんどしないという同協会の西護事務局長(47)は、7月17日の発売日にゴースト・オブ・ツシマをダウンロードした。発売前からYouTubeのPR動画などを見て、対馬を舞台にしたゲームが出ることに期待を寄せていたという。実際にプレイした西事務局長は
「映像、アクションはもちろんすばらしいですが、何よりストーリーに感動しました」
と印象を語った。同作は、元寇を題材にした米国発のアクションゲーム。オープンワールドで描かれた13世紀の日本を自由に探索したり、対馬から蒙古を駆逐するために日本刀や弓などを駆使して戦うほか、和歌を詠めたり尺八を吹けたりと、細部にまでこだわった演出が大きな話題を集めている。
現在は、メインストーリーの2周目が終わったところという西事務局長は「映画を見ているような感覚。もっとゆっくり楽しめば良かった」という後悔も口にしていたほど、同作の虜になっている。ゲームを観光振興に取り入れた理由を聞くと、
「観光に繋げようというより、純粋にプレイして楽しかったのでモデルになった対馬の魅力も知ってもらいたいと思いました」
と答えた。
「ゆっくりでも観光が動き出したらいいなと思っています」
現在はまだ観光客はそれほど増えていないという。西事務局長は
「ツイッターなどでは『コロナが終息したら対馬に行ってみたい』と言って下さる方も多いんです」
と手ごたえを語る。対馬市は、離島ということもあり、新型コロナウイルスの患者を受け入れることができる病床はわずか4床しかない。「現在は遠慮されてるファンの方も多いと見受けられますが、Go To キャンペーンも始まったのでゆっくりでも観光が動き出したらいいなと思っています」と話した。
そんな西事務局長が同作のファンにお薦めしたいのは、金田城(かなたのき、かねだじょう)だという。中大兄皇子(天智天皇)の命で667年に築かれた古代山城である同城は、防人が配置されて海外からの侵略に備えた国防の最前線として知られている。
同城は、ゲームでも重要な役割を果たしている。同協会のサイト上では「主人公のその後の行動を変えていく重要拠点として戦国の城風に描かれていますが、築城から600年後の元寇で使われたのかについては記録がありません」と紹介していた。
同作のファンに向けては
「古くは魏志倭人伝にも登場する対馬市は、歴史も自然も豊かですが、これまでは注目されることがそれほどありませんでした。現在は、ゲームをきっかけに広く知ってもらえているので、ぜひ実際に対馬に来て、体験してほしいです」
と呼び掛けている。