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【50代”昭和型上司”の解説書】Windows95登場で激変した職場 デジタル化に恐怖を抱く原体験に

PCが苦手なのは仕方ない?

PCが苦手なのは仕方ない?

「妖精さん」などと揶揄され、時代からすっかり取り残された感のある、”昭和世代”の上司たち。80年代中盤以降に就職した今の50代は、昨今の”ジョブ型雇用”という成果を明確化する流れの中で、全員が焦っていると言っても過言ではありません。

一方でそんな上司と一緒に働く若い世代も、どう接していいかわからず困っています。なぜ、50代は部下に理解されないのか、どうすれば理解出来るのか、そして、どうすれば両者は上手くいくのか。大企業を渡り歩き、自らも50代を迎えた私が、20~30代の若い読者の皆さんに「50代と仲良くするための解説書」を送りたいと思います。(文:People Trees代表  東野 敦)

就活は「企業の人にお寿司を食べさせてもらう活動」だった

50代のキャリアは栄光から転落し続けた人生でした。まず彼らのキャリアからおさらいしましょう。私たちが小学生の頃、まだ「男は甲斐性、女は愛嬌」という言葉が社会に存在していました。つまり、男は強く、お金を稼ぎ、女はかわいらしくふるまわなければならない、つい40年ほど前はそんな時代でした。

小学生の頃から男の子は技術科をやり、女の子は家庭科が得意であることを求められました。将来は、男性はカネを稼ぐべく一流大学を出て一流企業へ入る、女性は一般職で一流商社か一流企業に入り寿退社をするのが常識的だったのです。今の若者も大変ですが、当時も小学生の頃から画一的な価値観を押し付けられ、一流大学&一流企業レースを邁進してきました。

そして、90年代のバブル華やかりし頃、もてはやされながら大学生になります。私の大学には社会学部があり、入学時には”シャ(社)ガール”と呼ばれたド派手な服装の女性に驚愕し、大学の正門前には彼女を迎えに来る、「彼氏」ないしは「アッシー」と呼ばれる人たちが来ていたものでした。

昨今の就職活動では、社会課題を解決したいとか、自己分析をして強味をアピールすることが重要だとか言われますが、当時の就職活動で男子学生に求められるものは(1)根性、(2)体力、(3)根性、(4)体力という順番で、体育会で主将を務めていて、所属大学の偏差値が高ければ高いほど就職活動が先に終わるというものでした。

今以上に売り手市場だった就職活動を「企業の人にお寿司を食べさせてもらう活動」と称していた先輩もいた位です。その先輩は面接でも根性と体力自慢を前面的にアピールしし、「大学で一番好きだったことは?」と聞かれ、学校そばにあったラーメン屋の「一番好きなメニュー」を答え見事内定を勝ち取っていました。そして、80年代後半から90年代前半にかけて多くの男子学生が根性と体力を無理やり自慢して就職をしていきました。

50代がFAXなどの”紙”にこだわるのは90年代のトラウマの反動

そんな根性と体力の世代に最初の転機は意外にも早く訪れます。そう、1995年の「Windows95」の導入です。当時、大学時代に情報系を専攻していた人でもなければキーボードを触ったこがある人はほとんどおらず、ブラインドタッチ(今ではあまり使わない言葉ですが)が出来る人は世の中に専門家以外存在しませんでした。

この時、必死にブラインドタッチを練習し、ワード、エクセルを使えるようになれたかどうかが最初の分岐点になりました。ここで”パソコン”が苦手だと思った人の多くは今でも、Zoomに入って来れなかったり、電話でしか仕事をしなかったり、自分がクライアントであることを良いことにFAXを取引先に送りつけたりしています。

余談ですが、当時私の勤務先ではPCの上に事務職の女性が埃よけのカバーをかけてくれていました。まだPCも一般的ではなく、大型コンピューターで印刷し、「紙」全盛でした。私がいた人事部では、封筒に紙を入れる際の向き、セロハンテープの貼り方など、人事部から送る封書のマナーを厳しく先輩から指導されてた時代で、逃げ切った今の60代・70代です。

その世代の人たちは人差し指でキーボードを打っていればまだマシな方で、部下に話しながらワードで文章を打たせたりしていました。もちろん、直接会って話をするのが前提で、「電話をかけるのも失礼」という時代。現在のような、携帯に電話をかけた時の一言目である「今、大丈夫ですか?」という言葉は世に存在しませんでした。なぜなら、電話に出るということは「大丈夫」だからです。

第1回目 まとめ
・昭和の上司世代は「男は甲斐性、女は愛嬌」と言われて育ってきた
・昭和のおじさんのデジタルへの恐怖はWindows95が引き起こしたもの
・紙への並々ならぬこだわりはそのトラウマによる反動

2回目はWindows95の次に襲ってきた黒船、”電子メールの悲哀”です。

【東野 敦】
SUBARU・本田技研工業・江崎グリコにおいて人事を担当。主に海外進出や現地法人・国内グループ会社の人事部門の支援を行い、担当した国は20か国以上に上る。2019年にPeople Trees合同会社を設立。大手企業の副業メンバーを束ね、企業の経営者と共に志の溢れる人・組織を作るべく奔走中。【企業サイト:https://peopletrees.co.jp/

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