奨学金は「返さなくていいもの」と「必ず返すもの」とがあり、認識のズレが起きやすい。9月中旬のガールズちゃんねるに「奨学金は借金に入りますか?」というトピックが立った。トピ主は「彼氏に奨学金があります」と明かした上で、
「奨学金は大学のために借りたお金なので、借金という認識はありませんでした」
と考えを語る。しかし、友人から「奨学金がある男の人との結婚は借金持ちだから考えられない」と言われ、動揺を隠せない様子だ。「奨学金は世間一般からしたら、借金なのでしょうか」と問いかけた。(文:okei)
「入るじゃなくて借金そのものだよ」「家のローンとかも借金だからね!」
奨学金には、返済の必要がない「給付型」と、返済義務のある「貸与型」の2種類がある。「奨学金がある」という彼氏は、やはり貸与型だろう。貸与型にも利子が付かない「第一種」と、利子が付く「第二種」があり、もちろん利子がつくほうが返済時の負担は重くなる。
トピックの反応は、「立派な借金です」を始め、トピ主に厳しいコメントが相次いだ。
「入るじゃなくて借金そのものだよ」
「当たり前だよ。返さないと駄目なんだから」
「主さんヤバイな。家のローンとかも借金だからね!覚えておいてね!」
など、トピ主の認識の甘さを諭す声がほとんどだ。中には、本人の収入審査を通ってから借りる住宅ローンと比べて「奨学金はまだ就職すら決まってない人が借りるんだから重いよね」という指摘も。「親が貧困なら老後の面倒にも繋がってくる」など、結婚相手としては親の経済状況も見える不安要素だという声まであった。
一方で、「借金は借金だけど、人としてまともなやつ」という声も。奨学金が事実上は借金とはいえ、「将来の投資」と前向きに捉える人も少なくない。
「奨学金の借金はまだ許せる。ギャンブルとか日々の生活で作った借金は許せない」
「将来の投資となる奨学金と単なる借金は意味が違うと思うけどな。高卒と大卒では生涯賃金がだいぶ違うよね」
中には、「本人が借金であると認識した上で、計画通りきっちり返しているなら結婚には問題ない」という人も。確かに、奨学金は家庭の事情でやむを得ず借りる人が多い性質のものだ。将来稼げる仕事に就くための投資という意味もある。ギャンブルや消費癖など、計画性の無さからの「借金」とは、分けて考えたほうがいいだろう。
「奨学金は低利の『学生ローン』であることを忘れてはならない」
とはいえ、トピ主のように借金という認識が薄く、限度額一杯まで借りて卒業後に返済に苦しむ人も多い。コメントの中には、
「奨学金という名前がよくないよね。中には成績優秀者に学校から貰える奨学金もあるからごっちゃになっちゃうんだと思う」
という声もあった。これは以前からよく指摘される問題で、元衆議院議員の網屋信介氏も、昨年3月に出演した「モーニングcross」(TOKYO MX)で、「奨学金は低利の『学生ローン』であることを忘れてはならない」と主張していた。「奨学金」の響きで督促が緩いと考える人がいるかもしれないが、「滞納1か月で電話催促や督促状、2か月で延滞金が発生し、3か月延滞するとブラックリストに載る」とのことだった。
コメントの中には、「難関大に行って将来に繋がるお金なら奨学金。Fランとかよくわからん大学で遊んでて将来にも結びつかないような奨学金ならただの借金」という声もあり、そんな借金を数百万背負って社会人になる人もいると考えると恐ろしい。結婚したくてもできない人も出てくるだろう。2020年4月から給付奨学金の対象は広がったが、やむを得ず貸与型を使う人は、出来る限り借り入れ額を少なくするなど計画的に利用することをお勧めしたい。