シャープがJR八王子駅に掲出したエンジニアの中途採用広告が「オリンパスのエンジニアを引き抜こうとしている」とネット上で話題になっている。
広告は改札を出た正面、みどりの窓口の上のスペースに掲載されており、改札から出る際に目に飛び込んでくる。広告コピーは、
「カメラ業界のエンジニアのみなさん! スマホのカメラつくりませんか?(上から目線ですみません…)」
というものだ。
八王子はオリンパスの研究開発拠点 駅を利用するエンジニアを狙う
「カメラ業界のエンジニア」と直接名指ししているわけではないが、八王子市内には、オリンパスの開発拠点が集中している。技術開発センター石川、技術開発センター宇津木、技術開発センター高倉があり、いずれも八王子駅からバスでアクセス可能なため、そこで働く多くのエンジニアが広告を目にすることになる。
また、八王子駅すぐ近くには同社がネーミングライツを取得した「オリンパスホール八王子」もある。まさにターゲットの拠点ど真ん中に広告を掲載したことになる。
オリンパスのカメラ事業といえば、近年は女優・宮崎あおいさんをCMに起用した「OLYMPUS PENシリーズ」などで知られていた。しかし、スマートフォンの進化に伴う市場縮小などの影響を受けて赤字が続き、今年9月末にカメラ事業を日本産業パートナーズに売却することを正式決定していた。
こうしたタイミングで掲載された今回の広告について、ツイッターでは「市内に開発拠点置いてカメラ事業撤退決めたオリンパスの技術者狙い撃ちなんだろうな」「目の付け所がシャープですね」とコメントする人が相次いだ。シャープとしても、スマートフォン事業強化のため、カメラ事業で働くエンジニアはぜひ取り込みたいところだろう。
特定分野のエンジニア人材をターゲットにしたピンポイント屋内広告といえば、トヨタも過去にやっている。同社は2017年、JR南武線の各駅にエンジニア中途採用の広告を掲出。南武線はNEC、富士通、東芝といった大手企業の事業所や工場が数多く集まっていることで知られる。
NECの玉川事業場にほど近い武蔵小杉駅には「えっ!? あの電気機器メーカーにお勤めなんですか! それならぜひ弊社にきませんか」、向河原駅では「電気機器メーカー」を「先端メーカー」というコピーに変更した広告を掲載していた。