上場企業の財務諸表から待遇を探る「これだけもらえる優良企業」シリーズ。今回は、今年9月に新規上場した新興IT企業のトヨクモを取り上げます。
トヨクモ社員の平均年収は649万円
新規上場申請のための有価証券報告書によると、トヨクモ社員の平均年間給与(2020年7月末現在)は649.8万円です。
2010年にサイボウズの100%子会社、サイボウズスタートアップスとして設立。2014年にマネジメントバイアウトを行い、現在はサイボウズの連結範囲外に。2019年7月にトヨクモ株式会社へ商号変更しています。
2019年12月期の売上高は前期比57.7%増の7億6123万円、営業利益は同28.9%減の9763万円。大幅減益となっていますが、これは商号変更に伴い、前の期の10倍近い広告宣伝費をかけたことなどによるものです。
2020年12月期の通期業績予想は、売上高が前期比36.1%増の10億3600万円、営業利益が同97.7%増の1億9200万円と大幅増収増益となる見込みで、給与アップが期待されます。
トヨクモ社員の平均年齢は31歳
次に、従業員数と平均年齢、平均勤続年数を見てみましょう。
トヨクモのウェブサイトによると、現在の正社員は32人で、うち男性20人、女性12人。20代が20人、30代が7人、40代以上が5人というかなり若い構成で、「年功序列の会社ではなく、成果主義、能力評価をベースとした会社」とのことです。
2020年7月末現在の有価証券報告書によると、社員の平均年齢は31.4歳で、平均勤続年数は2.25年。職種によっても異なると見られますが、ざっくり言うと30代前半で600万円台後半をもらう人が多いということでしょうか。
事業は「法人向けクラウドサービス」の単一セグメントですが、「安否確認サービス」と「kintone連携サービス」の開発・販売を展開しています。
「安否確認」は、災害時に従業員等の安否確認をスマホやパソコンから行うサービス。システム拡張が容易なクラウドサーバーを最大活用し過剰リソースを持つ必要がなく、初期費用が不要で利用料金が安価な特徴があります。
「kintone連携」は、ノンプログラミングで業務アプリが開発できるサイボウズ社のプラットフォームkintoneを利用し、kintoneに登録されたデータを利用して帳票印刷をしたり、アンケートフォームからkintoneに直接データ登録をしたりするサービスなどを提供しています
営業・マーケティングなどで求人募集中
2020年6月現在の「安否確認サービス」の契約数は1,789件、「kintone連携サービス」は3,448件。平均単価は15,247円で、右肩上がりに増えています。
最近は営業・マーケティング担当の社員が増えており、採用サイトにも営業職およびマーケティング職の募集があります。必要なスキル・経験は特になし。みなし残業45時間分を含む月給31万円が提示されています。
マーケティング職には、歓迎スキル・経験として「webマーケティングの経験」「広報の経験」「ブログ等、継続的に執筆活動を行った経験」「SEO施策を行った経験」「広告運用を行った経験」「メールマガジン運用を行った経験」が並んでいます。
成長中の会社で自分のアイデアを試してみたい人には、魅力的な職場となるかもしれません。
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