ひと頃、一人で食事をする寂しさが”ぼっち飯”と呼ばれ話題になったが、お悩み解決掲示板に1月中旬、「女です。私は一人でご飯に行ける人です」というトピックが立った。
投稿者は、ファーストフードはもちろんラーメンや焼き鳥、焼き肉も一人で行くという。ところがそれを周囲の友人らに話したところ、驚かれてしまったそうだ。
「『すごい、私にはできない』とか言われて、急に寂しく虚しくなりました。そこから一人でいくのがすこし怖くなりました。そんなにおかしいですか?」
短い投稿だったが反響は大きく、コメントが相次いだ。(文:okei)
「ボッチで何処へでも行けるのなら人生楽しいはずです」
スレッドには、「おかしくない!行きやすいお店増えてます」など、一人で外食することに抵抗がない女性からのコメントが多数寄せられた。
「私も女性です。一人でファミレス、牛丼屋など行けます。一人ご飯の方が気楽です」
「ボッチで何処へでも行けるのなら人生楽しいはずです」
「行きたい時に行きたいお店で食べたい物を。自分のペースで食べる。私は結構、好きですけど」
焼き肉、寿司、居酒屋などはもちろん、カラオケや海外旅行も1人で「普通に行きますよ」という声が散見された。「悩む意味がわからん1人でも堂々といけるんだから普通にカッコいい」など、一人飯できる女性は自立していてむしろ魅力的という声も少なくない。
中には、「単に友達が全くいないからですけどね」と自虐的な人や、「営業職なのでいつも一人」という人もいたが、多くの意見に共通しているのは、「むしろ一人のほうが自由で気楽」という思いだ。
また、「(人気グルメ番組の)孤独のグルメやワカコ酒を見てみるといい。彼らはひとりで食を楽しんでいる。あれは才能なんだ。僕も外食はひとりだ。楽しい」という声もあるように、じっくり美味しいものと向き合うためには、逆に一人のほうがいい場合もある。
「食事」には、栄養とエネルギーを摂取する、一緒に食べる人との仲を深める、美食、などさまざまな側面がある。人それぞれの食事の目的がある中、「一人で外食」を奇異な目で見るほうがおかしいだろう。
「男性なら普通です。女性だと正直後ろ姿が寂しく見える」という声もあったが…
一方で、一人で外食できることが、「凄い」という賞賛や、皮肉めいたコメントも入っている。
「男です。お一人で行けるのが羨ましい。私は出来ないタイプだから。一人で入りたいです。勇気いるなって」
「男です。凄いですね。私は一人では行けませんし行かないです。楽しくないし無駄な外食費は避けます」
男性でも、「一人では外食しない人」は一定数いるようで、つまりそこまでの必要性がないのだろう。それぞれの価値観で決めればいいことだ。
中には、「男性なら普通です。女性だと正直後ろ姿が寂しく見える」という声もあったが、「それはあなたが色眼鏡で見ているから」と、偏見だと批判されていた。
“ぼっち飯”は、「一緒に食事する人がいない=友人がいない」という強迫観念につながり、”ランチメイト症候群”などと呼ばれることもある。これも、「食事は誰かと一緒に楽しくするべき」という偏った考え方によって生じた生きづらさだろう。
コメントには、「私も全然平気。むしろこのご時世だと人と食事をすることはリスキーなので一人だと気がかり少なくていいです」という声もあるように、今は大人数での会食は半ば禁じられている。新型コロナウイルスの感染拡大で飲食業界が苦境に立たされる中、むしろ今後は「一人での外食」を推奨して、「当たり前」にするくらいの気運が必要かもしれない。