一般事務は若い女性に人気の仕事だが、福岡県の30代女性からは「2週間で退職した」というエピソードが寄せられた。
「一般事務募集のはずが実際には総合職だった。ほかにも9時から18時勤務のはずが、8時半から18時10分勤務など、求人内容と相違があった」
この時点で違和感を覚えずにはいられないが、女性はさらに悲惨な経験をすることとなる。就職氷河期世代かつコロナ禍の状況下で退職に踏み切れず、2週間会社にしがみついた女性の経験談を紹介しよう。(文:林加奈)
「先輩からプライベートな質問をされて返答すると、すぐに同僚に知れ渡っていた」
女性は「一般事務と営業では給与の差がある。それと同じで総合職であれば給与が高くなって当然だが、一般事務の低い給与のままだった。また、営業には賞与があるのに一般事務には賞与なし」と憤る。入社初日は、
「私のデスクの掃除がされておらず、引き出しの中は汚れた汁がこびりついたまま。また、サポート終了したWindows7を使用していて、私の業務用アカウントの取得やネットワークの設定もまったくできていなかった。先輩からプライベートな質問をされて返答すると、すぐに上司やほかのメンバーに知れ渡っていた」
という手痛い洗礼を受けた。これだけでも相当ひどいブラック企業であることは明らかだ。
「コロナ禍なのに、隣の人と肩がすぐに触れそうな距離で仕切りもなく会食」
勤務開始から2週目の金曜日、女性は退勤時間に突然「今から歓迎会をする」と言われた。女性は予定があったので断りたかったが、社長が提案した飲み会のため、しぶしぶ参加した。皮肉にもその飲み会は、女性が退職を決意するきっかけとなった。
「コロナ禍なのに、隣の人と肩がすぐに触れそうな距離で仕切りもなく会食。マスクはもちろんなく、席の移動やお酒の回し飲みも当たり前。社長のパワハラ・セクハラ節が止まらない。社長は『俺のことが嫌いなのかな』とか『本来ならあなたはスキルがないから採用しなかった。痩せろ、かわいくない、ババア』などと散々罵ってきた」
かなりの曲者の社長。最終的には「まだ誰も会を抜けていないのに、私だけ社長から『先に帰れ』と怒鳴られた」というから理解しがたい。
「社長1人の暴走ではあるが、それを誰もフォローしないのが一番気持ち悪かった。完全なトップダウンで、社長ひいきだったため退職した」
退職に際し、女性は社長との最終面接に思いを馳せる。
「コロナ禍なのに『表情を見て話したいから』とノーマスクで会話し、社長なのに会社についての質問にふわっとした回答をしていた。入社前の私に言いたい。社長に違和感があれば、それはブラック企業で間違いない。勉強になった」
入社前から赤信号は出ていたのだ。突っ込みどころが満載なブラック企業のエピソード。この女性の言うとおり、違和感を察知したらすぐにでも退職したほうがいいのかもしれない。
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