お悩み解決掲示板に9月中旬、「去年、高校卒業時から20年以上勤めた会社を退職しました」という投稿が寄せられた。投稿者は43歳の男性。約20人規模でほぼ男性ばかりの会社に勤めていたが、地方ということもあり、友人や会社の後輩までどんどん結婚。「唯一の独身になってしまった」ことが辛くて、会社を辞めたそうだ。年収は600万円だった。男性は、
「人生に絶望して、毎日家に籠ってます。男でこれ程結婚に対してコンプレックスあるの、おかしいでしょうか」
と問いかけた。(文:okei)
「43歳で独身は、そんなに悲観することではない」
昔から結婚を夢見て貯金や婚活にも励んでいたものの、友人の紹介や街コン、結婚相談所もすべてダメだったという投稿者。彼女は20代前半を最後に出来ず、惨めさに耐えきれず仕事にも行けず、友人とも連絡を取れなくなった。「両親にも孫の顔を見せられなくて申し訳ないです」と落ち込み、
「毎日毎日部下や先輩に『うちの嫁が、うちの嫁が』と聞かされ、あのままだったら精神崩壊してた自信あります」
と綴っている。東京では社内に40代の独身者がいても珍しくないが、地方の狭いコミュニティーでは肩身が狭かったのだろう。
この相談は注目を集め、67件もの回答が入った。目立ったのは、投稿者に対する励ましの声だ。
「どこに住んでいるか分かりませんが、43歳で独身は、そんなに悲観することではないと思います。年齢的には、まだまだ結婚し幸せになれると思います」
「年収600万って恋愛市場じゃ十分戦える戦力な気がするんですけど」
など、回答は「まだ諦めなくていい」とする傾向が強かった。確かに「結婚相手に望む年収」は、バブル期なら1000万円とも言われたが、現在は400~500万円前後という調査結果もある。600万円ならそう悲観することもなさそうに見える。
しかし、「なんで仕事やめちゃうかな(中略)仕事をやめたら更に絶望的じゃないですか」と、退職を咎める人もいたように、転職しても年収600万円以上になる保証はないし、無職ではますます結婚が遠のくだろう。
ただ、投稿者は容姿で断られたことが多いらしい。長年のコンプレックスが強いようで、そこをなんとか頑張れと言うのも酷な気がした。
「結婚すると幸せになると思っている事が不思議」という声も
一方で、回答には投稿者の「結婚願望」自体にNOを突きつける人も。
「何のために結婚したいの? 不思議だよね、結婚すると幸せになると思っている事が。結婚したところで3組に1組が離婚する面倒な儀式」
と書き込んだ人は、結婚生活の過酷な未来像をさまざま挙げた上で、「のんびり一人で好きな事をして過ごせば?」と勧めていた。確かに、「あえて結婚しない」という考え方もあるだろう。
厚生労働省の「50歳時の未婚割合の推移」によれば、2020年の男性の未婚率は26.7%、女性が17.5%、2040年には男性29.5%、女性18.7%が50歳時に未婚と推計されている。つまり男性の3人に1人、女性の5人に1人は生涯未婚となる予測だ。「自分以外みんな既婚者」と落ち込む人は、今後少なくなっていくかもしれない。
実は投稿者は、年収は下がるが既に次の仕事も決まっており、結婚よりも「何か違う活力になる事探します」としていた。結婚にこだわり過ぎるよりも、新たな趣味や仕事を頑張ってほしい。